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LADY GUN
【推理 推理小説】

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静香の命-9

 「先輩のお母さん…」
ゾンビが恐れをなした姿というものを初めて見た泰子。人間的には全く見えない若菜が無気味に感じる。ゾンビは体をガタガタと震わせいきなり土下座を始めた。
 「ごめんなさい…!ゴメンナサイ!!私が…私が…静香さんを!」
いきなりの土下座に慌てる泰子。
 「ち、ちょっと…や、止めてよ!そんな事されたら困るわ…」
腕を掴み立ち上がらせようとする。
 「ごめんなさい!ごめんなさい!」
土下座を止めない若菜に語気を荒めて強引に立ち上がらせる。
 「いいから止めなさいって!」
引き寄せられ立ち上がった若菜の肩を押さえる。
 「あなたに土下座される覚えはないわ!しっかりしなさい!」
肩を揺らし意識に訴えかける。
 「私はあなたの娘さんを…」
 「あなたが殺した訳じゃないでしょう!?土下座なんてしないで!いい?」
涙を流す若菜に強く言う。
 「私は静香を捨てた酷い親よ。親の資格なんてないわ。あの子も私の事を親だとは思ってないでしょ。」
 「…」
泰子が墓を見つめた。
 「きっと静香が警察に入ったのは私達への当てつけでしょう。あの子は私達の事を犯罪者としか見ていなかった。そんな目をしていたわ…。怒ってたわ。静香の目は。施設の人から聞いたところによると正義感は人一倍強かったみたいだからね。きっと静香の正義感は私達への反抗の証だったんだろうね。」
 「先輩はそんな人じゃなかったです…。」
呟く若菜。
 「いいえ?あの子は私達の事が大っ嫌いだったわ。私もあの子が生きているといつも後ろめたさを感じてしまうから、いっその事死んでくれてホッとしたわ。」
 「えっ…?」
信じられない言葉に耳を疑う。
 「正義感強すぎるから深追いして痛い目にあったのよ。女のくせにしゃしゃり出るから目をつけられたのよ。適当に婦警してれば良かったものを、刑事だなんてやるから。不器用な子だったわ。」
淡々と話す泰子に若菜は怒りがこみ上げてきた。


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