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LADY GUN
【推理 推理小説】

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静香の命-2

 そしてすぐにヘリから連絡が入る。
 「怪しい人物らが慌てて車に乗り込み急発進した不審な車両を発見しました。今、トンネルに入った所です。ん?出て来ないな…。あ、出てきました!現在国道を南に向かって走っています。追跡しますので車両での応援をお願いします。」
 「よし、分かった。南というと白山インターの方向に向かっているようだ。急いで検問をひくよう連絡しろ!パトカーも急行させるように!」
 「はい!」
一斉に動き出す。暗い山中に赤い回転灯が煌々と光りサイレンを響かせる。遠くから見ても何か事件があった事が分かるだろう。ここは田舎町。住人は一体何事かと家から飛び出して様子をうかがった。
 街灯もない暗い山中。ライトをつけて爆走する車はそう見失わない。ヘリも出来る限り低空飛行で不審車両を追跡した。現地の警察も動く。不審車両の位置を無線で確認しながら追い詰めていく。
 あと少しでインターチェンジというところでパトカーが不審車両を確認した。道を塞ぐパトカー。しかし不審車両はそのまま突っ込んできた。
 「馬鹿野郎…!」
警官達はとっさによけて難を逃れた。しかしパトカー二台は大破する。不審車両のフロント部も大破し前輪がパンクしている。火花を散らしながら側道の木に激突して車は止まった。
 拳銃を構えながら車に寄る警官。
 「動くな!大人しくしろ!!」
観念したのか車内の人影は手を上げ無抵抗の意志表示をした。
 「車内の者、確保しました!」
現場を仕切る戸川警部補が連絡を受ける。
 「よし!やったぞ!」
ようやく田口逮捕の瞬間が来た。刑事達も沸き立ち安堵の表情を浮かべた。しかしそれも束の間、さらなる連絡に再び緊張が走る。
 「警部補!田口ではありません!加藤綾美もいません!」
 「な、何…?」
一瞬にして静まり返る。
 「2人は犯行グループの仲間だとは思われますが、しかし…、彼らは少年です。どう見ても高校生でしょう。」
 「な、何だと…?車の中には他に誰もいないのか!?トランクは!?」
 「いません!」
 「ど、どこに消えた…。」
そこへヘリから連絡が入る。
 「車に乗りんだ人間は少なくても4人いました。その中に女性と思われる人影も確認しました。2人しかいないというのはおかしい…。あ!もしかして…」
 「何か思い当たる節があるのか?」
 「はい。車両がトンネルに入った時、速度から考えて出てくるのが遅かったように思います。もしかしてトンネルの中に一台車を用意していて田口は乗り換えたのかもしれません。そして我々が囮の車両を追跡していったのを見計らってライトを消して逆方向に向かったのではないでしょうか!」
 「な、何だと!?そのトンネルに急行しろ!」
やがて到着したパトカーがトンネルに急ぐ。トンネルに入り中を確認した警官から連絡が入る。
 「何も残ってません。が…」
 「が、何だ?」
 「壁に『ま・ぬ・け』と書いてあります…。」
 「な…に…?くそっ!なめやがって!!やられた…!畜生!!」
どうやらしてやられたようだ。ヘリを慌てて向かわせ捜索するも怪しい車両は確認出来なかった。
 「ダメです。どこにも見当たりません!!」
 「くそっ!!」
戸川は無線を投げつけた。結局どうでもいい覆面男達だけの逮捕となった捜査は悲しみだけが残る結果になった。

 その頃、悠々と車を運転する田口。
 「さって、どこの街のカワイコチャンを食い尽くすかな…。くくく!」
綾美にフェラチオをさせながら鼻歌混じりでドライブをしていたのであった。警察の前から忽然と田口は消えた。


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