投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

LADY GUN
【推理 推理小説】

LADY  GUNの最初へ LADY  GUN 178 LADY  GUN 180 LADY  GUNの最後へ

終わらない物語-2

 「静香!逃げろ!こいつはまともじゃない!応援を呼んでこいつらを捕まえろ!俺の事なんか気にするな!」
静香の身を案じる俊介。しかしそんな事など出来る訳がない。残酷な姿で発見された弓野聖子が頭に思い浮かぶ。
 「いいぞ?彼氏の言う通りにしても、ね?」
 「私は逃げないわ?」
 「さすが!圧倒的に不利だと知っていても決して屈しない女、たまらないよね!」
 「今引き金を引けばあなたを殺せるのよ?」
 「くくく、でも引けないのは自分でも分かってんだろ?おまえは初めから2つのハンデを背負っている。1つは彼氏が人質になっている事、もう1つは女である事だ。女である事は大きなハンデだよね。だって生まれながらレイプされるハンデを背負ってる訳だからね!」
 「…」
田口が自分をレイプしたがっている事は感じている。レイプされて事件が解決に向かうなら構わないとさえも思った。しかし今、気付いた事がある。それは田口は俊介の前で自分をレイプしようと企んでいる事だ。間違いない。俊介を拉致した本当の意味がやっと分かった。静香は田口にレイプされる姿を俊介に見られるのだけはどうしても嫌だった。静香なりに考えてきた作戦は変更を余儀なくされる。少なからずとも動揺が生まれた。
 「いつまでも銃口を向けられたままでは気分が悪いなぁ。てかどうせこの状況では撃てないだろ?降ろしたらどうだ?」
 「それは私が決める事よ。」
 「決められないよ。」
覆面男が俊介を棒で叩く。
 「ぐっ!!」
 「俊介!!」
静香の視線が俊介に向く。
 「ほら降ろせよ。」
含み笑いを浮かばせながら静香を見つめる田口。
 「俺に構うな!!静香、撃て!撃ってしまえ!!」
叫ぶ俊介。
 「警察官あるまじき発言だね。彼氏の言う通りおまえはまた同じ過ちを犯すつもりか?」
 「…」
葛藤する静香。
 「あいつはおまえを犯すつもりだ!言う事聞くな!!」
田口のやりそうな事は知ってる。散々見てきた。犯らない訳がない。自分は殺されてもいい。静香だけは守りたかった。
 「くくく、そんな事は静香ちゃんも分かってるよ。犯されるのが怖くて仕方ないんだろ?しかしなぁ、おまえは人を守れる状況じゃないだろ?逆に彼女に守られなきゃいけない状況だろ?情けないねぇ、男として。」
 「何だとこの野郎!!」
やはり田口に熱くさせられる俊介。悔しいがその通りだった。
 「…」
静香がゆっくりと銃を降ろし床に置く。当然と言わんばかりに見つめる田口。
 「ようやく落ち着いて静香ちゃんのたまらない婦警コスプレを見られるよ。ヘヘヘ、たまんないねぇ!勃起しそうだ…。」
 「静香をそんな目で見るな!このクズ野郎!!…ぐっ!!」
棒で殴られる俊介。
 「止めて!叩かないで!」
大声を出す静香。
 「あらら、また守って貰っちゃったねぇ、俊介くん。ククク!美しい愛情だよ。鳥肌が立つよ。」
楽しそうに笑う田口。視線を静香に戻すとその笑みが消えた。
 「さてと…、いよいよ本題に入りますか…。」
ゆっくりと歩み寄ってくる田口に感じた恐怖は刑事としてではなく女としてのものだった。


LADY  GUNの最初へ LADY  GUN 178 LADY  GUN 180 LADY  GUNの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前