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紅館小話
【ファンタジー 官能小説】

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紅館小話〜悩〜-2

『………ありがとうございます。』
『お礼は良いわ、私は恋人達の味方よ。』
『悩みがあればいつでも言ってくださいね、私も応援してますから♪』
二人供、優しく微笑んでくれました。


そして、夜になりました。
ハイネルシスが一日の仕事を終えて部屋に帰ってきました。
『姫、ただいま戻りました。』
彼は部屋に戻るなり、私の前に跪きました。
『ハイネルシス………』
『今夜ももう遅いです、そろそろお休みになられませんか?』
彼の目は私を見ていません。 ただ事務的とも言える口調で決まったセリフを言うだけ。
『………そうですね。 休みましょう。』
私は立ち上がり、ベットに歩んでいきます。
ハイネルシスも隣のベットで寝る支度をしています。
ここで私はあることを試してみました。
私より早く支度を終えて、私を見ている彼の目の前で寝巻きに着替えたのです。
まず、大胆にも上着を一気に脱ぎ捨てました。
彼は突然のことに驚き、慌てて手で目を隠しました。
それでも私はやめません。 上半身は裸のまま、今度は下を脱ぎ捨てました。
今私の体を覆っているのは薄い白のショーツ一枚だけで、小降りな乳房も、細い足も露なままです。
………恥ずかしいです。 でも、ハイネルシスの方を向いて、彼を見つめます。
彼はまだ手で目を覆ったままです。
『ハイネルシス、こちらを見て。』
ハイネルシスが私を見ます。 でもすぐに目を背けました。
『………姫、何かご用でしょうか?』
『………いえ、なんでもありません。』
私は急に悲しくなり、寝巻きを来てベットに入りました。
ハイネルシスは私の裸を見ても何とも思わないのかしら………
でも、もしかしたらハイネルシスは抑えているだけなのかも知れません。
目を背けたのも、耐えきれないからなのかも知れません。
ふと、アルネさんから貰った薬を手に取りました。
『ハイネルシス。』
『はい、なんでしょうか?』
呼ばれると素早くベットから抜け出し、いつものように命令を待つ騎士のポーズを取りました。
『これを飲んでください。』
私が薬を差し出すと、最初は不思議そうに見てましたが、すぐに薬を取り、迷わず飲みました。
『これでよろしいですか?』
『………ええ、お休みなさい。』
ハイネルシスは再びベットに入り、二人の間に沈黙が流れました。
私はアルネさんからあの薬の効能は聞きましたが、飲んでからどれくらいで効くのかを聞き忘れていました。
暫くそのまま、ハイネルシスに変化が無いか見ています。


『………うっ………はぁはぁ………』
十数分後、急にハイネルシスの呼吸が荒くなり始めました。
それに、何やらゴソゴソとして毛布が動いています。
『ハイネルシス?』
『うっ………ひ、姫………』
彼は私に声をかけられると、困ったような声を上げました。
そして、それと同時に毛布の動きが止まりました。
私はそれを不審に思い、そっとベットを抜けて彼に近付きます。
『ひ、姫!?』
私がばっと毛布を取ると、ムワッとした男の匂いがしました。
毛布の中では彼の下半身は露になり、片手は男根を握っています。
『ひ、姫………これは………』
ハイネルシスは言い訳を考えようと口を動かしますが、その口からはっきりとした言葉は出てきません。
(ハイネルシス………)
私は悲しかった。 何故私が隣に居るのに一人でこんなことをするのか?


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