聖域その2-3
ふぅ・・ふぅ・・ふぅ・・ふぅ・・」
胸の上に美香の温もりを感じながら斉藤も息を整え考えていた。
付き合っていた1年間でほんの少ししか思い通りにならなかった美香が、人妻として再会したこの僅かな期間で斉藤の予想を上回る速さでめざましい変貌を遂げたのは何故か。
愛する男との度重なる不満の夜。そこに現れた積り積もった不満を解消した昔の男。
愛するが故に裏切ってはいけないとういう強い気持ちと、ずっと飢えていた身体を満たしたい気持ち。
二つの相反する強い思い、そして両極端な二人の男の存在が美香を変える大きな要因になっているのは間違いなかった。
「雅彦さまぁ・・美香・・凄く・・気持ちよかった・・です・・」
考え事をしている間に体力が戻った美香が耳元で囁き、身体を自由に動かせるように腰を浮かせて繋がっていた肉棒を引き抜くと、抱きついたまま首筋から乳首へ。
さらには最高の絶頂をもたらした肉棒へと向かって順番にキスをしていった。
チュッ・・チュッ・・
斉藤も思わずゾクッとしてしまう美香の甘い声、上目遣いの表情。
浩二との寝室である事はもう頭にはないのか、まだ勃起したままの肉棒に到着すると、
先端にキスをした後、自分の愛液と精液がたっぷり付いた肉棒を口に咥えた。
「んっ・・ぐっ・・ジュップッ・・ジュップッ・・んはぁっ・・」
時折、斉藤の様子を伺うように見つめ、また肉棒に集中する。
美香の秘部からは白く濁った液体が逆流し内ももを伝ってシーツへと垂れていた。
何も言わずとも自分の意志で奉仕をし始めた美香の口の中で秘部とは違う気持ち良さを感じながら、ただ黙ってその様子を見ていた。
「んっん・・んっ・・ん・・チュッポ・・ジュップッ・・」
肉棒に纏わりついていた精液や愛液はすっかり美香の唾液で洗い流され、今度は美香の唾液が肉棒を覆っていた。
浩二ならとっくに根を上げているであろう激しい口の動きにも顔色ひとつ変えない斉藤を何とか口の中で発射させようと必死になっていた。
これ以上あの激しい快感を味わうと、腰に力が入らなくなりしばらく動けなくなるような気がしていた。
「口に出して・・欲しいんだ・・な・・?」
ようやく口を開いた斉藤はなかなか止めない奉仕に美香の意志を確認した。
それに答えるように首を縦に振りさらに激しく頭を上下に動かし始める。
浩二との寝室でこれ以上感じる訳にはいかないという思いからか、本当に自分の身を案じてか。
だが、この逞しい肉棒を咥え続けていると、自然と身体が求めるように新たな愛液が美香の中から溢れ出していた。
「はぁ・・はぁ・・っ・・いいぞ・・もうすぐ・・だ・・」
吐息交じりの斉藤の声に、色気すら感じてしまう美香。
「はぁ・・はぁ・・美香の・・口の中に・・雅彦さまの・・濃い精液が・・飲みたい・・」
もうどれが自分の本心なのかさえわからなくなっていた。
ただ、必死に自分の為ではなく、斉藤の為に舌と頭を動かした。
「ううっ・・はぁっ・・いい・・美香・・出す・・ぞ・・」
喉奥を突かれたと思った瞬間、熱くてドロッとした液体が口の中いっぱいに広がった。
それを一滴も溢さぬよう口で受け止め、ゆっくりと独特の臭いを感じながら飲み込んでいった。
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・」
射精した時の快感と脱力感で漏れた息を整える斉藤。
美香は最後の一滴まで絞り出そうと先端をストローを吸うように吸い上げ、残った精液も全て飲み込んでいった。
やがて口の中が空になると肉棒を離し、斉藤に抱きついた。
「雅彦さま・・とっても美味しかった・・です・・」
寝室での行為にまた少し理想に近づいた美香の姿に斉藤は満足していた。
斉藤は満足した身体を起こしベッドの下に脱ぎ捨てた衣服を身に着け始めた。
それを寂しげにベッドから眺める美香。ほんの数時間の出来事だったが、浩二との寝室に斉藤を迎えた事で、今までと違う気持ちが芽生え始めていた。
もっと一緒に居たい。本当はもっとめちゃくちゃにされたい。だが自分には浩二という夫がいる。そして浩二を愛する気持ちは変わらない。
ここに来た時と同じ恰好に戻った斉藤はずっと不安そうな眼差しを向けていた美香を見つめた。
「どうした・・?ここに俺を入れた事を・・後悔してたのか・・?」
いつものように美香の気持ちを代弁し陥れるセリフ。
今まで効果的に働いていた斉藤ならではの責めだったが、今回ばかりは斉藤の読みが外れてしまった。
それほど、美香の斉藤に対する気持ちの変化が速すぎる証拠でもあった。
「ねぇ・・次はいつ・・会えるの・・?」
斉藤の質問には答えず、予想だにしなかった言葉が美香の口から放たれた。
毎日当たり前のように仕事に行き、帰宅してくる浩二。結婚してから生活の不安も会えない不安も何もない。ところが、斉藤は今度いつ会えるかもわからない。会える時間帯も一緒に居れる時間も限られる。
それが余計に斉藤を強く求めてしまう原因だった。
いつ来るかわからない連絡を待つよりも確たる約束が欲しかった。
「くくっ・・いつ会えるの?・・ねぇ。ここで旦那を裏切った事よりも・・
俺と次いつ会うか・・の方が大事なのか・・?」
ベッドにしゃがんだまますがるように見つめている美香に近づき、無防備だった乳首をキュッと摘まんだ。
「アンッ・・」
「旦那が何も知らずに働いている時間に、自分は寝室で他の男の肉棒を咥えて愉しんで・・悪いと思わないのか・・?」
さらに両方の乳首を巧みに指で転がしながら、美香が罪の意識を失わないよう、
質問を続ける。