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LADY GUN
【推理 推理小説】

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加藤綾美の価値-5

 綾美の歩いて行ったという方向へ進む静香達。すぐに道路に面したアパートを見つけた。築何年か経過したごく普通のアパートだ。まず郵便受けとドアを確認して名前をチェックする。
 「みんな男性ね。」
 「でも女の一人暮らしは危険だから男性の名前を書いてるかもしれませんよ?」
 「それもありえるわね。」
そう話していると一階の角部屋から学生らしき男が出てきた。
 「すみません、こういう者ですが、このアパートに女性の住人はいらっしゃいますか?」
警察手帳を見せられ若干緊張気味に答える男性。
 「いませんね。全員顔見知りですから間違いないっすよ。」
 「そうですか…。ありがとうございます。」
礼を言って男性を見送った。
 「ま、はじめからうまく行くわけないしね。次!」
歩き出した2人。目につくアパートを確認してまわる。しかしなかなか該当しそうなアパートは見つからなかった。
 「ちょっとコンビニで話聞きましょうか。」
アパート探しと同時に加藤綾美の目撃情報を探す。駅から通りを歩いてくるとこのコンビニへ出る。生活していたならコンビニくらい寄りそうだと考えたからだ。その勘は当たる。
 「あー、似た人ならたまに来ますよ?」
 「本当ですか!?」
 「ええ。他の女とは一際違ってますからね。加藤綾美に似てると思ってたんですよね。」
店員が話した。
 「ここらに住んでいたんですかね?」
 「それならあの角を曲がった先にあるメゾン・メルシールというアパートに住んでますよ?206号室です。」
 「本当ですか!?」
 「ええ。加藤綾美じゃないかと思ってつけた事がありますので。あ…、べ、別にストーカー行為はしてないですよ!?ただ気になったから…」
 「そ、そうですか…。」
疑いの目を向けながら、でも重要な証言だ。余計な詮索はしない事にした。
 「つーと、やっぱあれは加藤綾美だったんですね!?」
静香は言葉を濁しながらコンビニを出てメゾン・メルシールへ向かった。
 通りから隠れていて人目につきずらいアパートだがまだ建てられてから日が浅そうだ。綺麗で洒落た雰囲気のアパートだった。206号室はドアにも郵便受にも名前は書かれていなかった。洗濯物も干しておらず生活感は感じられなかった。


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