神とモンスター-7
部屋に突然声が響いた。
「けじめなんてつけさせないよ?」
2人以外誰もいないはずの麻耶の部屋に響いた声に驚く武史と麻耶。2人の視線の先には、そう、奴がいた。
「と、徹!!」
いるはずもない田口徹の姿があったのだ。
「ど、どうしてここにいるの…!?」
鍵だってちゃんと閉めていた。しかもこのマンションは高度なセキュリティーシステムを兼ね備えている。常任の許可なくマンション内に入るのは不可能に近いからだ。
「武史さんも女性の部屋に忍び込むのは朝飯前でしたよね?」
余裕の表情で武史を見た。
「管理人、脅したか…。」
ニャッと笑う徹。
「さすが俺の師匠!いや、元師匠、か。ヘヘヘ。」
もう違うよ、そういう意味合いを武史に伝えたかのような口振りだ。
「自主するとか、今さら何言ってんだか…。」
徹は麻耶の隣に座った。もはや麻耶の知る徹の雰囲気は感じなかった。隣にいるだけでも迫り来る恐怖感を感じた。
「もとはと言えば俺がおまえをこういう道に引き込んでしまったのが過ちの原因だったんだ。悪かった。許してくれ。」
頭を下げる武史。しかし田口は微動だにしなかった。
「今でも思い出すなぁ…、それまで散々いじめられてた憎き西川彩菜をレイプした時の感動…。それまで見下されていた顔を見下して俺のチンポで痛がるあいつの顔を見た感動…人生変わりましたよ。そんな素晴らしいレイプを教えてくれた恩師に今さら間違いだった、許してくれと言われてもねぇ…。」
「徹…」
田口は武史の慈悲に溢れる目を見てイラっとした。
「武史さんが自分の過去を償おうと思えたのは、目的達成したからだ!海老川優里レイプを達成したからだろう!だからあんたはレイプから身を引いた。だが俺はまだ目的達成していない!高田道彦の恨みを晴らしていない。俺を本当の弟のようにいつも気にかけてくれた俺のアニキを奪った警察に俺はまだ復讐をしていないんだ!だから絶対に止めさせない。邪魔をさせない…。例え武史さんと麻耶さんでも邪魔する者は絶対に許さないんだ!!だから自主なんてさせねー!」
物凄い形相で詰め寄る田口。
「徹、こんな事をしても高田は…」
「ウルセェッッ!!」
机を叩く徹。怒りの表情で田口を睨みつける。しかしその表情が次第に和らいで行った。