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LADY GUN
【推理 推理小説】

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先輩…-1

 この日は何事もなく平穏な1日だった。18時に刑事達の殆どが帰宅する。
 「上原、今から隙??」
帰ろうとする若菜を呼び止める静香。
 「あ、はい。」
 「じゃあちょっと飲みに行こうか!」
 「は、はい!」
初めてのお誘いだ。仕事で足を引っ張ってばかりいる為、静香に嫌われているのではないかと心配していた若菜。たとえ飲みに行った先で説教を食らったとしても、嫌われるより叱られていた方がいいと思っている。叱られなくなったら終わりだと感じていた。仕事を終え着替えた2人は駐車場へと向かう。
 「あれ?先輩車持ってましたっけ?」
静香はいつも電車通勤だ。駅でいつも合流して出勤している。
 「あ、今日は俊介の運転とおごりだからね!」
俊介…角田俊介はやはり刑事であり静香の恋人だ。完璧なイケメンで女性警官からの人気は一番である。しかし静香の彼氏とあっては好きになるのも気が引けてしまうぐらいの美男美女のお似合いのカップルとしてもはや公認だ。誰もが羨む素敵な2人だ。若菜もあんな彼氏がいたらなぁとは思いつつも好きになる事など恐れ多いと認識しているし、2人を見ているとまるでドラマを見ているかのような気分になってしまう。理想のカップルだと思っているのであった。
 「あれ?早いじゃん俊介〜!」
すでに俊介の姿があった。普通に待っているだけでも絵になる。
 「今日は平穏な1日だったからね。みんな帰るの早いよ。あ、上原さん、初めまして!」
素敵な笑顔だ。無意識に顔がポ〜ッと火照ってくる。
 「あ、は、はじめまして…!今日はすみません…。せっかくのデートにお邪魔しちゃって…」
遠慮がちな若菜を見てまたまた素敵な笑顔で答えた。
 「いやいや、今日は上原さんと3人で飲むっていう事だったから。デートの予定はなかったからね。」
 「そ、そうなんですか??」
静香の顔を見る若菜。
 「うん。たまたま今日は早く終わりそうだったからさっき俊介に電話したばかりだから。もともと3人で飲みに行くつもりだったから邪魔者なんかじゃないから安心しなよ。」
 「は、はい〜!」
嬉しくてしょうがなかった。少しでも静香が自分を気にかけてくれている事が嬉しく感じた。若菜はワクワクしながら俊介の車に乗り込んだ。
 「あ、でも運転したら角田さん飲めないんじゃ…」
 「あ、いいのいいの。俊介はお酒が飲めないから。でも私はお酒大好きだからいつも私の介抱係を任せてるのよ!ほら、1人で飲んで酔いつぶれて他の男に連れて行かれたら嫌だろうからね!」
 「ハハハ、そう言う事!」
羨ましくなるぐらいの2人に自分も幸せな気分になってしまう若菜。3人は洒落た居酒屋に入り席につく。
 「はーい、じゃあお疲れ!」
グラスを合わせ乾杯をする。俊介だけが烏龍茶だ。初めは若菜の生い立ち、静香と俊介の出逢いなどの話題が続く。酒が進むにつれ普段では見れないぶっちゃけた静香の姿が見え驚きつつも嬉しくなる若菜。段々堅苦しい雰囲気が消えて行った。


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