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LADY GUN
【推理 推理小説】

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上原若菜-2

 後退りしながら叫ぶ若菜。
 「う、動くな!!止まりなさい!」
 「うるせぇ!」
全く相手にしない売人。
 「う、動くな!!」
しかしどんどん近付いてくる。
 (こ、こうなったら…!)
まだ一度も実践で手にした事がない拳銃。初めての銃使用だ。腰に装備している事は混乱ですっかり頭から飛んでいた。とっさにポケットに手を突っ込み握った物が拳銃らしく思いそれを取り出しとっさに構える。
 「そ、それ以上近づいたら撃つからねっっ!!」
睨みつける若菜。売人はそんな若菜を見て一瞬驚いた表情を見せた。そしてなぜか激高する。
 「お、おまえ…俺をナメてんのか!?」
若菜からすれば何であんなに怒っているのか全く分からなかった。
 「テメー、そんなんで俺を捕まえられると思ってんのか!?ナメやがって!」
 「えっ…?」
若菜は自分が握っている物を見た。
 「あ…」
自分が握っている太くて立派な物…、それはバイブレーターであった。
 「あ…あ…」
恥ずかしさで思わず手を離す。地面に落ちたバイブレーター。落ちた拍子で何と電源が入り卑猥なモーター音とともにうねりだした。
 「ウィーン、ウィーン言ってんじゃねぇかよ!!おまえ、何でバイブなんか持ってるんだ!?」
 「ち、違うの!わ、私は緊張したりパニクったりすると動揺して何も出来なくなるから、そう言う時はバイブでオナニーすると超落ち着くからいつも持ってるの!決して私がスケベだから常備してる訳じゃないのよ!?」
混乱して言わなくてもいい事を口走る若菜。
 「し、知らねぇよ!んな事!!」
そりゃそうだ。知ったこっちゃない。
 「あわわ…」
もうどうにもならない若菜。売人はばかにされた気分になり若菜めがけてナイフを突き立て向かってきた。
 「ぶっ殺してやる!!」
 「あっ…あっ…」
恐怖で体が動かない。売人はどんどん近付いてくる。若菜は体を丸めて地面に小さくなる。
 (もうダメ…お母さん…!)
覚悟を決めた。その瞬間だった。
 「大人しくしなさい!!」
売人のナイフを握った手に蹴りを入れてきたのは先輩刑事、皆川静香だ。
 「うぎゃ!!」
蹴られた瞬間、ストッキング越しにセクシーな黒のパンティが見えた事もナイフを握る手から力が抜けた要因になったのかも知れない。ナイフを手放した売人の手首にすかさず手錠をかけた静香。
 「麻薬密売の容疑で逮捕します!」
 「く、くそ…!」
売人は諦めた様子で地面にうなだれた。


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