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貴方を、護りたい・・
【純愛 恋愛小説】

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私のしてる事って-2

あから様な嘘、ダガ春華も模索する事はせずその後お互い別れ・・
「・・しゅう」


「従って徳川家康は・・」
静かな教室に延々と鉛筆を走らす音と小さな教室に響き渡る先生の声
変わりばい無く黒板に書かれてる単語をノートに写すしゅうを見つめる樹里奈
「しゅう・・」と心の中で彼の身を案じる

ピーッ
先生の合図でグラウンドの地面を思いっ切り蹴り上げライバルを追い抜こうとする
ジャージを身に纏ったクラスメート達
「いやぁー、昨日は大変だったわぁアイツら後で「あんまんの方が良かっただの」
「富良野産豚まんだって」だのクレーム出しやがって」
徒競走を終えた樹里奈と春華は近くの芝生に腰を下ろして居た
「ったくアイツら人が寒い中買いに行ってやったって言うのに」
愚痴をペラペラと溢す春華、しかし友の耳に入って居ない様子に

「樹ーー里ーー奈ぁー、もしもぉぉーーしッ!」
「えっ?何春華」
愛想笑いし友の方に顔を上げる
「・・・今日は・・何をお考えなのですカナ?」
ここまで来ると友人の思考が嫌でも理解してくる春華で
「しゅう・・ちゃんとご飯食べたカナ?」
「・・樹里奈」

物思いに老け、ふと笛の音と共に男子達が位置に着き、その列に
「しゅう・・」
軽く足を上げ地面を叩きウォーミングアップをし絶好調の様に見えるが
「何か、顔色悪い・・」
「えっ?」
肉眼では普通に見える彼、ダガそんな彼に眉を立て険しい顔で見つめ
そして笛の合図が鳴り一斉に走り出す男子達
走る彼を目で追い続ける樹里奈、そんな友を見かねた春華は
「大丈夫だって・・多分」
春華はふと昨夜のしゅうを思い返し

そしてゴールを勢い良く走り飛ばす男子達、その中でガッツポーズするしゅう
どうやら一着で彼らと盛り上がって居るそうで
「いつもと変わんないよー」
樹里奈に合わせ自分も心配して見てたが何処もおかしな様子は無く
彼への不安が消え、気持ちが軽くなった・・その時!

バタッ

走り終え次に走るクラスメートの邪魔にならない様、芝生の方に移動しようとしたその時
気を失いその場で倒れこみ

「しゅうっ!!」

周りのクラスメートも彼の異変に気づき駆け寄る
「佐藤っ!おい佐藤!」
倒れた彼の肩を揺さぶるも返事は無く先生が彼を保健室まで運んで行き

表情を濁らせ運ばれて行く彼を目で追う春華・・そしてしゅうを想う樹里奈は
春華の制止も無視し運ばれて行く彼の元へひたすら地面を蹴り上げ彼の元へ駆け寄り

「・・・しゅう」
静寂で重い空気漂う中、彼女の想いも知らずベットに身を寄せ眠るしゅう
弱弱しい彼女の肩をソッと支える春華

「どうして・・どうしてこんな」
泣きじゃくる樹里奈、いくら家事を代行してるからってそれで倒れる事に疑問と悲しみを
感じていると
「やっぱ、働き過ぎかな・・」
彼をベットへ運び、生徒の様子が気になった先生がポツリと言い出す
「・・へっ?」
先生の言葉に疑問を抱きゆっくり首を先生の方に向け、先生から彼が運送会社で働いて 居る事実を耳にする・・


「そんな・・家事ダケでなく働きにまで出てるって言うの?!」
「あぁ、バイト届けを出してきたから」
「・・で、でもバイトでしょ?悪くても4・5時間程度で」
「それはどうかな?」
樹里奈の話を遮り、昨夜彼に会った事を話す
「でもっそれは夕方から会社に働きに出たとかで」
「でも彼やたら窶れていたわ、前方不注意するくらい」
春華の話を聞き彼女の中で悪いイメージが頭の中で膨らんで行く

寒い風が吹く中、ボロボロの体に鞭打ってそれでも客の前ではいや同僚や上司の前でも
決して嫌な顔一つせず笑顔でいて・・ホントは疲れて苦しくて今にも逃げ出したい
そんな気持ちを精一杯押し殺し、母親の為皆の為にっ!

「蓮見・・」
動揺する生徒を見かねた先生が彼女の元へ近づくも
「どうして止めないんですか?!」
先生の手を弾き、怒りの矛先を先生に向け
「・・先生も止めはした「あんな家庭の状態で働きに出る何て可笑しい」「もっと
自分を大事にしろっ」って、でもどんなに説得しても「やらなきゃ駄目なんです」の一点
張りで聞かず」
怒りが収まらず顔を強張らせ先生を睨むと
「落ち着きなよっ!ソレを望んだのは彼自身であって」

「五月蝿いなっ!!アンタに何が分かんのよっ!」
静寂なハズの保健室を切り裂くような怒号・・

「蓮見・・」

「出てって」
小声で重い言葉を吐き
「樹里奈・・」

「出てけって言ってるでしょっ?!」


「うっうっ、しゅう・・しゅう」
彼女に追い出され先生は後ろ髪を引かれつつも他の生徒の待つ教室に戻り
春華は先生に無理言って扉の前で彼女を見守る事に
保険の先生も今は用事があって席を外しており、居るのはボロボロに眠るしゅうと
ソレを見て泣き崩れる樹里奈だけ

足は腫上がり、腕もパンパン顔も窶れ、苦しそうな寝顔を見せるしゅう
そんな彼をまがまがと見つめ彼女は彼の腹に顔を付け
「・・しゅうの馬鹿っ!どうして?どうしてそんな自分を痛み付けるの?」
聞く耳を持たずただ虫の息を挙げ・・
「私は貴方が好き、誰にでも優しく爽やかで・・」

静寂ダガ、重たい空気が流れる中・・
「ん、んん・・・」

しゅうの小声に咄嗟に反応しハッと腰を上げ
「しゅうっ!気がついたの?!」

彼の無事が分かり、無意識にホッとし、今の彼との関係などお構い無く声を挙げ
「・・ここ・・は?、俺は確か徒競走をしてて・・・」
困惑する彼に彼女は優しく状況を説明してあげて・・

「そっかぁー、そんな事が」
窶れや声で頭を手で押さえ・・
「皆に心配掛けちゃったな・・後で謝っておかないと」
自分が意識を無くして倒れたって言うのに他人の心配をする彼



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