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不貞の代償
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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映像-3

 奈津子を抱えたまま起きあがり、そのままシートに背をもたれた。奈津子の顔が始めて正面から見える。色までは分からないが、顔はやや上気しているようにも見える。顔にかかるほつれ毛が生々しさを物語っていた。
「なんて綺麗なんだ……」
 石橋は『進藤さん』を抱きしめ、うっとりとした表情で見とれていたが、慌ててペニスを抜き『進藤さん』を抱き起こし、田倉と同じ向かい合った体位にしてから入れ直した。だが挿入した場所は後ろの穴だ。この体位だと前には入れにくく、なぜか後ろの穴の方がしっくり入る、といった理由でだ。あらかじめちゃんとローションは塗ってある。
「不良品かもしれない。今度文句を言わないと。ね、『進藤さん』」――と、石橋はもちろん本気だ。
 艶のある剥き出しの肩に石橋はめまいを感じた。光って見えるのは汗ばんでいるせいだろう。両手は田倉の首を抱いていた。田倉はその手をつかんでやや乱暴に振り解き、自分の唇に押し当ててから、頭の上で束にして両手の自由を奪った。支えが無くなった奈津子は、田倉の首に頬を押し当ててもたれる。その仕草は甘えているようにも見える。
 続いてその両手を奈津子自身の背に回した。両手の自由を奪ったまま、田倉は突き上げた。奈津子だけがリズミカルに上下する。
 あえぐような奈津子の表情を見つめ、石橋は手の甲で涙をぬぐった。見るたびに感情がずたずたになる。
 石橋は奈津子の声を必死で思い出そうとしていた。だが山ほどいる好みの女子社員の声とダブり頭の中は混濁していた。
 揺れる奈津子の髪を撫でながら田倉は首を回し、しきりに周辺を警戒している。大胆にも多くの人や車が行き交うスーパーの駐車場内での行為だ。警戒しないわけにはいかないのだろう。
 その間も髪の中に指を潜らせ頭部を抱き、耳たぶを噛んだり、うなじに唇を押し当てたりして突き上げていた。開いた唇から見える白い歯の間から、艶めかしい舌が見える。唇をあの字にした表情は、まるで達することを望んでいるようだ。
 田倉はぐるりと首を回し画面に顔を見せたりする。周辺に気を配りながらも止める気配はない。
「なんて冷静な……恐ろしいヤツ」
 改めて石橋はそう思うのであった。
「よくぞ俺、見つからなかったな」
 もう少しその場にいたら見られた可能性もある。ただただ胸をなでおろすしかない。
 奈津子の声や吐息を残らず田倉は耳にし、肌で鼻孔で感じ取っているのだ。ブラジャーを外されているのも分かっている。従ってお互い上半身は裸だから、奈津子の乳房が田倉の胸にぴったりと押し当てられている、わけだ。
「つ、つぶされている?」
 しかも揺さぶられているので乳首がコロコロしている、わけだ。
「ああ、くそぉ、くっそぉ!」
 今更ながらそれに気づき、石橋は悔しがる。下半身は脱いでいるかいないか分らないが、どちらにしても想像はつく。羨ましすぎて気が変になりそうだ。
 田倉は髪を撫で、体を揺すりながらも周囲の警戒は怠らない。両手で後頭部を抱いたまま、その一連の動作のついでのように、奈津子の顔を自分の顔に正面に持っていく。しかし田倉は首を回してそっぽを向いてしまうので、奈津子のあえぐ唇が田倉の頬や鼻、耳をなでることになる。そうさせておいて、後から奈津子に向き直るのである。その粗雑な行為に石橋は悲憤する。
「可愛そうな進藤さん……」
 田倉の後頭部しか見えないが、今は田倉は正面から奈津子の顔を見ている。荒い息であえいでいる――はずの奈津子の唇が田倉の鼻の先にある、はずだ。観察しているようにも見えて胸がむかむかする。
 首を振るので、眉を寄せ、悩ましげな奈津子の表情がチラッと見える。いやがっているようにも見えるがそうではないだろうな、と虚しいがそう思う。どちらにしても、田倉は後頭部をつかんで横を向くのを許さないのだが。こうして揺さぶりに耐えられなくて、あえぎ始める……。これを繰り返している。
 キスするチャンスはいくらでもあるのにそうせず、至近距離から顔を合わせるだけだったが、とうとう田倉は奈津子の唇を吸った。それも無造作にだ。
「なんてことだ……」とつぶやきながらも、石橋も負けじと部屋の中を見回しながら『進藤さん』とキスをしながら律動した。
 しかし田倉のようにはいかず、途中で動きを止めて「ダメだ、でちゃうわ……」と残念がるのであった。


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