記憶消去-1
「この子はかなり美人だけど、いいのか?」
「はい、僕の一番好きな人です」
「それなら、少し待てばスイッチの消えない方法が分かるかもしれないぞ」
「いえ結構です。むしろスイッチが効かないほうがいいんです」
「好きな子を好きなように操れるのが利点なんだがね」
「教授、好きな子だからこそ操りたくないんです」
「理解できんなぁ」教授は空中を見ている。
「でも本当は、やりたいことはしたので、彼女だけは普通に戻してあげたいんです」
「なるほど、純愛なんだな」
教授はPCをいじりだした。
僕は白石さんの肩を掴んで
「白石さん今までありがとう、僕から開放してあげるね、いやらしい自分は忘れて普通の女の子になってね」
無表情の白石さんを椅子に座らせた。
彼女の頭にコードのついたヘルメットをかぶせると、今まで遊んできた思い出が次々を思い浮かぶ。
やっぱりスイッチが使えるようになるまで待ったほうがいいのかも、
決心のつかない手がヘルメットを離さない。
さらに彼女の薄い唇に吸い付きたいけど、我慢した。
「もう手出しは出来ないんだから、やめておこう」
僕は背を向け、目をつぶる
「教授 お願いします」
「了解」
静かなPCの音が彼女の記憶を消していく。
結構長いような気がする。
「完了したよ」
僕は振り向き、かぶっているヘルメットを外すと、変わらない彼女が座ってた。
「これで白石さんは記憶が消えたのでしょうか?」
「心配ない、他の実験体のおかげで不自然なく綺麗に消えたよ」
「ありがとうございます。 彼女たちの記憶に無い半年間は、どう説明すればいいのでしょうか?」
「少年、記憶はあいまいなんだよ、2日前の昼食すら覚えていないんだ、家に帰ればカレンダーが変わっているし家族もいる、
脳は消えた記憶を補うように自分で整理するんだ、何も心配しなくていい」
「そうゆうものですか」
「そうゆうものだ、それじゃ車で送るよ」
「はい、よろしくお願いします」
記憶を消した7人をワゴン車に載せている時、
教授は部屋にいた美人に首輪をつけてから来て、運転席に座った。
「実に良いデータだったよ、これで楠木澪も新しい記憶を付けられそうだ」
「楠木澪? どこかで聞いたような……」
「一時期ドラマやCMに出てたけど、今は仕事が無いんだ」
「そうでしたか、綺麗だと思いましたよ」
「せっかくの美貌とスタイルを持っているのに、使わないから仕事が来なくなったんだよ」
「芸能活動って厳しいんですね」
「そうだな」
教授に送ってもらい各人家の近くでおろし、部屋に戻してからスイッチを切った。
「本当にアイコンがなくなるんですね」
「いやなら、すっと切らなきゃいい」
「それはしませんよ、それに市内の高校生は僕の物ですから7人なんて問題ないです」
「市内を掌握したのか、私も芸能人ばかりでなくて市民集めて市長にでもなろうかな」
「すごいですね 市長になって何をするのですか?」
「何もしないよ、ただエライ人になれば研究費に工面することないだろう」
「なるほど、日本中が教授の手足になるのも近いですね」
「世界統一も夢じゃないぞ」
「世界ですか!」教授は笑ってるけど、この人なら実現しそうだ。
「そしたら、世界中の女とHしてやるぞ」
動機が不純すぎる。
最後に白石さんのスイッチを切った。
教授に送ってもらっていたが、どうにも涙があふれて降ろしてもらった。
「それでは、ありがとうございます」
「ああ、そういえば彼女な、」
「はい?なんでしょう」
「いや、なんでもない忘れてくれ、じゃあな少年」窓から肘を出して教授が手を振る。
一人たたずみ「でんげん」を立ち上げると、いつの間にか追加されたアプリがあった。
回りにいる人で、僕が操ることができる人の頭に、緑のバーがある。
ちょうどコンビニから出てきた女子高生達のバーをクリックしたら、彼女たちが停止した。
ラブホで3人の女子高生に奉仕させながら、白石さんに別れを告げた。
次の日、登校し教室のドアをあけて白石さんを見る。
「普通だ」
何も変わりない、記憶は消えたのだろうか?
放課後にマン研に顔を出すとヲタク3人を見て、他の奴も下校していた。
毎日白石さんとHしてた連中は、本当に覚えていないようだ。
「記憶消えたんだ、すごいな教授」
帰りに、一車両だけ女子高生で混み合ってる電車に乗り、一発抜いてから帰宅した。
「あれ今日は早いのね〜部活なかったの?」とかーちゃんが聞いてくる。
「今日はやめたよ」
部活なんかしていない、毎日ラブホ行くから部活に入ったことにしている。
「あっそ、ごはん作る……ね」
かーちゃんが止まって振り返った、
「少年、7人は大丈夫だったか?」とかーちゃんが言う
「教授ですか! うちのかーっちゃんはやめてくれ」
「驚いたか? たまたま少年の家族が入っていたから起動したまでだ、大丈夫、少年の家族では遊ばないよ、削除しておく」
「びっくりですよ、家族はやめて下さい、それと7人は何事もなかったようにしています、成功ですよ」
「そうか、それ聞いて安心したよ、じゃあな少年」
「かーちゃんの顔で言われると困るけど、お世話になりました」
かーちゃんの目が動く
「ん? あれ? あ、ごはんね、ちょっと待ってって〜」台所に向かった。
その後、みんなから集めたお金でやり部屋をつくり、お気に入りランク上位の娘で下の世話をさせた。
学校から帰ると乾くひまがないほど、たくさんの女性と遊んでいたが、
進級する頃は大人数に飽きて、同じ娘に奉仕させている。
桁違いに美人なのだが、芸能界入りを断っているらしい。
他の娘は芸能界に入り、たまに教授からスイッチ入れてくれと頼まれるのだ。
そして、教授は市長になった。