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命令チップ03終章
【SF 官能小説】

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つかない電源-1

メッセージが頭に届いた。
授業中だけど開ける
「竹中市長は病気療養中の処薬石効なく急逝致しました。
 生前に研究されていたことは、全てコチラで引き継ぎ活用します。
 よって”少年”氏のデータも引き取ります。
 いままで、研究にご協力ありがとうございました。」
読んだ後、メールが消える。
竹中市長が死んだ?
僕のデータを引き取る?
どうゆうことだ?
殺されたのか?
僕もヤバイぞ!
臨戦態勢とるしかない!
席を立ち上がり、窓の外を見て構える。
来るなら来い!
全員で戦わせてやる、起動の呪文だ。
「でんげん」力いっぱい大声で叫んだ。

しばらくの沈黙のあと、先生が「どうしたんだ? 電源って何の話だ?」と聞いた。
周りの人達は驚いた表情で僕を見ている。
起動失敗か?
目に映像が流れない。
「でんげん」
しかし、頭の中にアイコンが広がらない。
「おかしい、おかしいぞ、でんげん、でんげん、でんげん……」
周りの人を捕まえて叫んでも起動しない。
全校生徒は僕のものなのに、誰も起動しない。
まさか、既に抜き取られたなのか!
不思議な顔をして見る白石さんが見えた。
「でんげん、でんげん、でんげん、わぁああああああああ」
机も椅子も散らかして空いた教室の真ん中で膝をついて崩れてしまった。
全て失ってしまったようだ。

保健室の白いベッド、厚みないのに重い掛け布団、天井のシミはどうやって着いたんだろうと眺めていると、
カーテンが開く。
「どうしたの? 何があったの?」
かーちゃんが血相変えて飛び込んできた、
学校なんかにくんなよ!と言おうとしたら、目に涙がたまっていた。
担任に謝り、今日は帰っていいと言われ、
かーちゃんと歩く下校道。
なぜか理由を聞いてこない。
「そうだ、美味しいスパゲッティでも食べに行く?」
日奈のバイト先のことだ、今は学校なので会うこともない。
「うん」
「そう、私日奈ちゃんのスパゲッティ屋が好きなのよね、あそこの麺はバリラだと思うわ、それにね……」
かーちゃんは咳を切ったようにしゃべり続けた。

食後自宅に帰り、部屋で一人呪文を唱える
「でんげん……やっぱり取られたんだ、横取りすることもできるのか」
景気よく新型をくれるわけだ。
今日取られなくても、いつかは竹中市長に持っていかれたのだろうか?
一生懸命増やしたのに
「殺されるよりは、ましなのかも」
僕は眠りについた。

次の日、かーちゃんに休みなさいと言われたが、学校に行った。
そして、皆に謝った。

普通の高校生活を送る日々が続く、
命令チップのない退屈な日常だが、なぜか友達も増えて、女の子とも話せるようになった。
以前の僕では考えられないほど開放的になった感じがする。
周りの女子も男子も一度は同化してたおかげで、親近感があるのだろう。

冬休みが近づき、仲間と放課後残って遊んでいると
教室のドアを開けて「わぁ」と白石さんが驚かした。
明るい笑顔が輝いて、最高の美女だと思う。
友達は、その声より男子に話しかける白石さんに驚いてるようだ、
彼女は真っ直ぐ僕の前に来ると、
「あの、お話があるんですけど、屋上に来てくれますか?」
さっきと違って緊張した顔をしている。
白石さんは教室を出てドアの向こうにいた女子たちと騒いでた。
それを見て友達は僕を冷やかすけど、少し不安になる。
消えた記憶は思い出すのだろうか?

期待と不安が入り混じり屋上の扉を開けた。
校庭を見下ろしている白石さんに近づく、
「白石さん」
振り向く彼女が立っている場所は、入部勧誘された時にHした所だ、

白石さんは手を胸の前で組んで拳を見て、頷くと
「あのね……こんなこと言うの初めてなんだけど、
最近あなたのことが気になって眠れないに、今も胸がドキドキしちょるんよ、
やけん、付き合ってほしいっちゃ」
真剣な眼差しで僕を見てる。
これって告白、されたんだ。
両思いなんだ。嬉しくて飛んでいきそうだよ。
すぐにOKと言いたい、言いたいけど、その前に、
「……やけんって何?」
すると白石さんは目を丸くして、
「ええ! もしかして訛ってた? ああんハズカシイ、気をつけているのについ喋ってしまうよぉ」
「もしかして、男子と話さないのは方言が出るからなの?」
「うん、東京弁を使うようにしてるけど、つい出ちゃうんだよね」
「っぷ、そう聞くとその”だよね”も変に聞こえてきた」
「えー! いじわるだよ、ね」
「っぷ、はっはっはっは」
「あー 笑うなあ ひどーい」
からかい過ぎて怒る白石さんにOKの返事をした。
本物の白石さんは意外に明るく楽しい人だった。

本当の彼女ができた。
しかも世界一好きな白石さんとだ。
見た目最高、しかも笑えるツボも同じなのだ。一番の理解者はお互いだと思う。

冬休みに入り、クリスマスでキスした勢いでホテルに行ったけど、入り口で白石さんが怖がりやめてしまった。
次の日からは僕の部屋に来る様になり、いつの間にか体を重ねる事にも抵抗がなくなっていた。
初めて家に着たときは、かーちゃんが「紗友里ちゃん久しぶりねぇ」と言われて、本人は不思議な顔で僕に聞いてくるから、適当にごまかした。

いつものように幸せのHしたあと、TVをつけたら日奈が歌っている。
同じ高校出身のアイドルグループのセンターだ。
日奈の母親は家を出たっきり行方不明らしい。
TVを消して、もう一度Hするようにお願いした。
「もう、なんでも思い通りになるとは思わないでよね」ふくれ面だけど目が笑ってる。
「お願い、もう一回しようよ」両手で拝みながら擦り寄ると、少し嬉しそうな顔になり
「まったく、しょうがないなぁ〜幹夫は」
紗友里はベッドで横になった。




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