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嘘つきは恋の始まり 
【女性向け 官能小説】

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振り向くと野口さんが桐生さんに電話をしている私を見ていたようで
あわててスマホをカバンにしまいこむ。

「ちが・・・う」

私の会社が同じだって知らないから。大丈夫。
桐生さんと私の関係を知らないから。大丈夫。

精一杯、平静を装って後ずさりした私の手をつかんだ。

「この後の予定がキャンセルになったみたいだね。
俺と飲み直そうか?」

抵抗したのに引きずられるように入ったお店は
とても感じのいいお店で
野口さんが私のことを知らないことに気を許した。

なぜか野口さんと私は閉店まで飲み続け
この後、俺の部屋で飲み直そうと言われた言葉に
うなづく自分がいた。

「うわ。いい部屋に住んでますね」

いったい幾らお給料が違うんだろう。
酔った頭で下世話なことを考えていたら

「良いワインがあるんだよ」と
器用にオープナーでワインを開ける手に見惚れた。







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