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Betula grossa〜出逢い〜
【ラブコメ 官能小説】

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Betula grossa〜出逢い〜-9

「ねぇやっぱりパソコンあったほうが便利だよね?」
自分達の部屋に戻ってから梓さんが私に聞いた。
「うん..でも..なくてもそんなに困らないよ!」
私が答えると。
「明日パソコン買いに行こうか?私もあったほうが便利だと思うから!」
そう言ってくれた。
「えっ!?でも....」
「遠慮しなくてもいいのよ!笑美はもうウチの子になったんだからね!」
「えっ!本当にいいの?ありがとう!お姉ちゃん!」
私は梓さんに抱きついた。
「でも..私..あまり詳しくないからなぁ....そうだ!あいつに頼もう!」
梓さんは携帯を取り出して電話をかけた。
「私!私!明日暇だろ!ちょっとつき合って!」
「ちょっと!お姉ちゃん!」
梓さんの強引な電話に、私は梓さんの腕を引っ張った。
「いいから笑美は黙ってて!......えっ?こっちの話....で?どうなの?暇なんでしょ?......だったらつき合ってよ!やっぱりパソコンがあったほうが便利だからね!私そういうの詳しくないからさ!タダでとは言わない!昼飯ぐらいはおごるから!......じゃあ10時の約束だぞ!じゃあな!」
梓さんが電話を切った後
「お姉ちゃん誰と電話してたの?」
「ん?純君だよ!下の純君!」
梓さんは床を指差した。
「純兄ちゃんに悪いよ!」
「あいつだって笑美みたいな可愛い子と一緒にいられるんだから、そのほうがいいんじゃない?」
私はそんな梓さんの考えに時々ついていけない事がある。
「ところでさぁ....やっぱりすごかったの?」
「純兄ちゃん?」
「うん!」
「すごかったよ!1年生の私にだって噂は聞こえて来たから!」
「噂?」
「うん....昨日の試合は2ラウンドKOだったとか....相手のパンチを受けなかったとか....ウチの中学校のスーパースターだったよ!」
「そんなにすごかったの?」
「うん!私は直に試合を見た事ないんだけど....スピードスターなんて言われてたみたいだよ!」
「それじゃ女の子にモテたんだ!」
「うん!すごかったよ!」
「笑美は大丈夫だったの?」
「えっ?何が?」
「だって笑美とつき合ってるみたいな事になってたんだろ?妬まれたりしたんじゃない?」
「それはあったと思うけど....純兄ちゃんはそういうの嫌いだから....純兄ちゃんに嫌われたくないから直接私に何かしてくる事はなかったよ!」
「笑美はあいつの話しをすると幸せそうな顔をするな!好きなのか?」
「うん!純兄ちゃんが本当のお兄ちゃんだったら、ずっと私の事を守ってくれたのにって思うよ!」
「ゴメンな....頼りにならないお姉ちゃんで....」
私は梓さんに抱きしめられた。
「そんな事ないよ!お姉ちゃんの事は時々お兄ちゃんかな?って思う事あるよ!」
「それ....嬉しくない....」
「ゴメンナサイ....」
両親を亡くした私は母同士が友達だったので梓さんの家でお世話になる事になった。梓さんは私が気を使わないように接してくれる....私も梓さんと話していると本当のお姉ちゃんと話しているような気持ちになる....純兄ちゃんは私の初恋の人....でも私なんかじゃ純兄ちゃんには....それがわかっているから....彼女じゃなくて妹になる事を選んだ....そうすればずっと一緒にいられると思ったから....それは間違ってなかった....また一緒にいられるようになったから....




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