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Betula grossa〜出逢い〜
【ラブコメ 官能小説】

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Betula grossa〜出逢い〜-10

「お姉ちゃん!純兄ちゃんが来たよ!」
笑美が私を呼びに来た。
「ちょっと待って....」
「まだ....時間かかるんですか?」
「もう少し....って何で少年がここにいるのよ!」
私は純君を見て驚いた。
「私が入ってもらったのよ!笑美ちゃんのパソコンを買うのをつき合ってもらうのに外で待たせるわけにはいかないでしょ!梓も早くしなさい!」
母が横から口を出してきた。
「仕方ないでしょ!笑美と違ってスッピンで勝負出来ないんだから....」
私が文句を言うと
「えっ?そうなんですか?梓さんはスッピンでも綺麗だからメイクしなくてもいいと思うけど....」
純君が呟いた。時々こいつはホストの才能があるんでは...なんて思う事がある。嬉しくなるような事サラッと口にする....私は騙されない!とばかりに
「それは私のメイクの技術が悪いって事?」
つい憎まれ口を叩いてしまう....
「そういえば梓は美術の成績悪かったものね!」
母がつられて口にした。
「仕方ないみんながそういうなら、今日は薄いメイクで済ませるよ!ちょっと買い物に出るだけだからな!」
私が振り返ると
「お姉ちゃん!こっちのほうがいいよ!」
笑美が叫んだ。そう言われるとそんな気がする....だから私は単純って言われるのだろう....

私はパソコン売り場から少し離れた所で待っていた。決まったら呼びに来るように伝えて、二人が来るのを待っていた。
「あれっ梓さんじゃないですか!何をしているのですか?」
そう声をかけられた。
「えっ!?」
顔を上げると、姫川美菜(ひめかわみな)ちゃんが立っていた。
「美菜ちゃんか!笑美にパソコンを買いに来たんだ!」
「笑美ちゃん?ああ..この前、梓さんが言ってた女の子ですね!」
「うん!」
「でもいいんですか?笑美ちゃんだけで....」
「詳しい奴と一緒だから....私はお財布係りさ!」
「そうなんですか....」
「美菜ちゃんはどうして?」
「私はスマフォを見に....ここなら全部見れるから!」
「気に入ったのあった?」
「はい....まだ迷ってますけど....」
美菜ちゃんは私が働いている会社の社長の娘さんだ。祖父が会長で、いわばお嬢様....偶然知り合ったのだが、私はただの高校生だからと、私なんかにも丁寧な言葉を使ってくれ、敬語を使われるのを嫌がって友人のように話すように言われたのでそうしている。課長が聞いたら雷が落ちるぐらいではすまないだろう。
「お姉ちゃんこんな所にいたんだ....」
笑美が疲れた顔をして近づいて来た。
「もう決まったの?」
「いっぱいあってどれにすればいいかわからないから、純兄ちゃんに任せて来た....」
「任せて来たって....」
「純兄ちゃんなら大丈夫だよ!」
笑美がニッコリと笑った。
「笑美がそれでいいなら、私は別にいいけど....」
「うん!いいよ!」
笑美は笑顔で私を見ていた。
「こちらが笑美ちゃん?」
美菜ちゃんは笑顔で笑美を見つめていた。
「うん!ほら挨拶しなさい!」
私は笑美の背中を軽く押した。
「三崎笑美です。」
笑美は珍しく緊張した面もちで美菜ちゃんを見つめていた。
「姫川美菜です!よろしくね!笑美ちゃん!」
美菜ちゃんに笑顔で話しかけられて笑美は少し緊張がほぐれたらしく笑顔を見せて
「姫川さんはお姉ちゃんの友達?」
「そうよ!笑美ちゃん!それから私の事は美菜でいいわよ!」
笑美は少し迷って
「じゃあ美菜お姉ちゃんだね!よろしくね美菜お姉ちゃん!」
笑美はやっといつもの屈託のない笑顔を見せた。


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