従順-2
それに美香自身、ここまで我慢してきた絶頂を
肉棒ではなく足の指で迎えるのは勿体ないとさえ思えてきた。
「あぁぁっ・・まっ、雅彦さまっ・・はぁはぁっ・・ひ、ぃどいっ・・んっぁんっ」
このまま指に身を委ねて楽になるか・・さらなる贅沢を取るか・・・
究極の選択に悩む美香の心を見透かしたように楽しそうに指を動かす斉藤。
「ほら、我慢しなくていいんだぜ・・くくっ・・これでイッたら・・旦那の肉棒は俺の足の指以下って事になるがな・・」
浩二の事を言われ一瞬身体が硬くなる美香。
だが、答えの出ない美香の秘豆に容赦なく続く指の愛撫がさらに激しさを増す。
ずっと涎のように垂れている愛液が指にまで纏わりついていた。
「アッ・・アっ・・イクッ・・あっ・・いやっ・・」
絶頂が近づき思考能力がなくなりかけていく。本当にこのまま指でいいのか・・
斉藤の目を見つめる美香・・
一度目を閉じ、快感に負けそうな身体に鞭を打って、両手で斉藤の足を掴み絶頂への道を自ら止めた。
「いやっ・・指では・・・イキません・・」
「おっと・・もうすぐでイキそうだったのに・・イキたかったんだろ?」
微かに残る浩二への思いが・・愛する夫の肉棒が足の指以下と言われた事が止めさせたのか・・それとも・・
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・指じゃイヤです・・私は・・」
視線が斉藤を見つめていた視線が再び肉棒を見つめる。
逞しく天を仰ぐ肉棒を。
「私は・・雅彦さまの・・この・・肉棒で・・イキたいんです・・」
ハッキリとそう告げる美香。
今は浩二の事などどうでもよかった。今はただ・・自分の快楽を、斉藤の肉棒だけを求める一人の女になっていた。
「そんなに肉棒が欲しいなら・・俺が入れたくて堪らないくらいの事をしてくれないとな。気持ちよくなってるのは、さっきから美香の方だけじゃないのか?」
確かに一理ある。美香は自分が気持ちよくなりたいが為に斉藤を求め、色んな指示にも従ってきた。
もちろんこれは斉藤の本心ではない。
斉藤は十分に興奮し今でも美香の中に入れたくて仕方がなかった。
が、いつまで経っても肉棒を与えてくれないのは、そこが自分に足りない部分なのだと、
美香を納得させるには十分すぎる発言だった。
事実、斉藤は美香に比べれば与えられた肉体的快感は僅かでしかない。
「あっ・・わっ、私・・」
美香は斉藤に言われて初めて、今日どれだけ自分勝手な発言をしていたのかを思い知り
恥ずかしさと申し訳ない気持ちが一気に込み上げてくる。
(私は・・自分のわがままで浩二を裏切り、そして雅彦さまも利用しようとしていた・・
だから雅彦さまはご褒美をくれなかった・・・)
「ま、雅彦さまっ・・」
このままでは捨てられてしまう。そう思うと、急に悲しくなり瞳が潤んでくる。
美香の瞳を見て黙って見下ろしていた斉藤が口を開いた。
「なんだ?ようやく自分の立場を理解したのか?俺は美香を気持ちよくするために呼んだんじゃねぇ。俺が気持ちよくなるために呼んだんだ。
その意味・・・わかるな?」
斉藤の問いかけに頷く美香。
(そう。私だけが気持ちよくなったらいけなかったんだわ。私は雅彦さまを満足させる為の女。だからイカせてもくれなかったし、肉棒も入れてくれなかったのよ)
完全に斉藤の術中にハマッてしまった美香には何が正しくて何が間違っているのか、
正確に判別する能力さえも失ってしまっていた。
「じゃあ、その気にさせてもらおうか・・」
そう言うとさっきまで美香の秘部や秘豆を弄んでいた右足のかかとだけを床に着けた。
「誰かのやらしい汁がいっぱい付いてるよな・・・舐めてキレイにするんだ」
美香の愛液は親指だけではなく、足の甲にまで到達していた。
美香は自分の顔が斉藤の足に届く様、少し後ずさり両手を床につけ身を屈めた。
まるで猫が器に入れられたミルクを舐め取るように舌を伸ばし、
自分の愛液で濡れた斉藤の指を舐めた。
ペロッ・・ペロッ・・
さらに肉棒を奉仕するようにパクッと親指を咥えて舌で指の腹を舐めていく。
足独特の匂いと愛液の匂いが混ざった、何とも言えない酸味のある匂いが鼻を突く。
それでも今の美香にとっては嫌な匂いではなく、興奮する匂いだった。
斉藤に指示される事なく、足の指1本1本を丁寧に舐め、次いで足の甲も舐めてキレイしていく。
―4年前―
まだ交際中だった斉藤は美香に色んなプレイを強要してきた。
最初は抵抗気味だった美香も自分のマゾ性を開花させられ、それらを受け入れ、
プレイ中は「雅彦さま」と呼んでいた。
時には普通の人はしない場所で肉棒を受け入れたり、時には普通の人は入れない物を
秘部の中に入れられたり・・・その都度抵抗し、受け入れ、スリルと興奮を味わい
斉藤の性の虜になっていた。
そんな美香でも断固として受け入れない事があった。
「美香。ほら、舐めろよ・・・舐めてキレイにするんだ・・」
舌を伸ばし試みようとする美香だが、
「む、無理・・やっぱりこれだけは無理だよ・・どんなに好きな人でも・・
私にもできる事とできない事があるわ・・ううん・・人としてのプライドもあるの。
足を舐めるなんて・・できません」
何度焦らして興奮状態にしてから試しても、斉藤の足の指を舐める事は一切なかった。
そこから少しずつ二人の間に溝が生まれ、やがて離れていった。