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透明な滴の物語
【同性愛♀ 官能小説】

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深夜のナースステーション-1

便が出ないまま5日目を終えた夜のことであった。
一度は眠りに入った佐和子であったが、キリキリする下腹部の痛みで深夜に目が覚めた。
とうとう発病してしまった恐怖を感じたが、努めて平静を保とうと気持ちを落ち着けた。
「明日の朝になったら看護師さんに相談してみよう」
そう思って再び眠ろうと思ったがお腹の苦しさは引かず眠れない。
下腹部を触ると蛙のように腹が膨らんでいる。
佐和子は不安のあまり心臓が高鳴った。
「こんなことは今までなかった。普段の便秘でも市販の便秘薬を飲めば必ず出ていた。もしかして、私、このまま便を出せない身体になってしまうのかしら」
それは自分にしか分からない予感めいた恐怖の感覚であった。
涙が溢れてきた。
下腹部の痛みと便秘との闘いによる精神的な疲れ、そして便秘の魔力に支配されたかのような恐怖にも似た感覚から。

巡回の看護師が佐和子の様子がおかしいことに気が付き、暗い中を佐和子のベッドに近づいてきた。
そのベテランの看護師は、周囲に気を使い小声で囁きかけた。
「眠れないのですか?どこか痛みますか?」
佐和子は、一人で戦ってきた孤独感から開放された気持ちになると、ほっとしたのか涙がさらに溢れてきた。
しゃくりあげながら佐和子が答える。
「ごめんなさい。わたし…。せっかく下剤をいただいたのに…お腹が、パンパンで」
看護師が、掛布団の中から佐和子の下腹部に手をやり、パジャマの上から触診する。
指の腹で押すと便秘に特有の張りが確認できた。
「ああ、これは苦しいはずですね。ずっと出てないですものね。下剤も効かないか…」
病院の下剤も通用しないと看護師の口から改めて言われると佐和子は切羽詰まった。
か細い声で尋ねる。
「私、どうなっちゃうんですか…。私、もう、自分じゃ出せません…」
ベテラン看護師は佐和子に身を寄せ肩に手をかけながら優しく囁いた。
「大丈夫ですよ。今すぐ楽になりますからね。これから浣腸しますから。一緒に来てくださいね」
浣腸…。
佐和子は救われたようなほっとした気持ちと、面と向かって浣腸の宣告を受けた恥ずかしい気持ちで顔を赤くした。


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