投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

透明な滴の物語
【同性愛♀ 官能小説】

透明な滴の物語の最初へ 透明な滴の物語 2 透明な滴の物語 4 透明な滴の物語の最後へ

秘密の買い物-3

聡美は自分のドイツ製小型車を滑らかに運転している。
狭い駐車場を器用に抜けると郊外のバイパスの流れに乗った。
姿勢良くハンドルを操作する聡美に運動神経の高さの片鱗が見える。
「運転上手ね。もともと聡美はスポーツ万能選手だったものね。私も何か運動しなきゃダメよね。そしたら便秘も治るかしら…」
聡美が思い出すように尋ねた。
「佐和子さんって、もともと便秘ひどかった、でしたっけ?」
佐和子は聡美に昔のことを思い出すように説明を始めた。
「もともとは、お通じ順調な方だったのよ、私。たまに便秘することはあっても、お薬飲めば出ていたし。でもね、娘を産んでからなのよ。体質が変わっちゃったみたいで」
佐和子は助手席で郊外の景色を眺めながら、出産時に便秘に苦しみ浣腸の経験をしたエピソードを語り始めた。

佐和子が出産した産院でも、出産前の浣腸は行われた。
たしかに恥ずかしい気持ちはあったが、その時は大きなお腹で必死だったこともあり、苦しい中でこれっきりのことだからと自分に言い聞かせて浣腸を受けた。
佐和子の本当の苦しみは産後にやってきた。
会陰切開の後が痛くてたまらない。
抜糸する前に切れたら再縫合だと言われていた。
佐和子は排便できない状態が続いていた。
トイレにしゃがんでも怖くて力むことができない。
直腸まで便が下りてきている感覚はあるのだが、それ以上力んで出すまでには至らない。
すっきりできないイライラを抱えながら諦めてトイレから出る徒労が繰り返された。
そのうち看護師が佐和子の排便がないことに気づき、下剤が処方されるようになった。
たしかに下剤の効果でお腹が痛くなるのだが、出口付近の便が硬くなって出ない。
もはや自力排便は不可能になっていた。
やがてトイレに行くことすら嫌でたまらない行為となりトイレから足が遠のいた。
良くないことと分かりながら下剤の波が収まるまで、下腹を抱えながらベッドで丸くなるようになった。
多めに下剤を処方されるようになったが同じ状態が続いた。
日が経つにつれ看護師はしきりに佐和子に排便状態を尋ねたが、その都度曖昧な返事でごまかしていた。
しかし、そのことが後で痛烈なしっぺ返しとして自分に跳ね返ってくるのである。
便秘の恐ろしさに無垢でいられたのもその時までだった。



透明な滴の物語の最初へ 透明な滴の物語 2 透明な滴の物語 4 透明な滴の物語の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前