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『詠子の恋』
【スポーツ 官能小説】

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『詠子の恋』-26

「は、あ……ん……く、ふ……」
 びく、びく、びく、と、震えを何度も繰り返し、ようやく詠子の身体は沈静化した。
「よみ、落ち着いた?」
「……うん」
 まさか、胸への愛撫だけでこんなに強いエクスタシーを感じることになるとは思わなかった。好きな人に触られることが、こんなにも、興奮してしまうことだとは、“読み年増”たる詠子にも、全く想像できていないことだった。
「ごめん、こうクン……わたしだけ、先に……」
「だいじょうぶだよ。よみの往ってる時の顔、すごく可愛かった」
「バカ……」
 むう、と詠子は唇を尖らせる。吉川の見ている前で、絶頂に辿りついた痴態を初めて晒したわけだが、今になってそれが恥ずかしくなってきた。
「ん……」
 尖らせた唇に、温もりが覆いかぶさった。隙を突いた吉川のキスに、詠子は眼をつぶることも出来ず、絶頂の余韻が残る体を、再び熱くさせた。
「ん……んん……」
「ん、ふ……ん、んむ……」
 互いの唇を、貪るように食みあって、その絡まりは濃度を増していく。
「ねえ、こうクン……」
「ん……?」
「服、脱いでも、いい……?」
 身に着けている衣服が、とても邪魔に感じられて、詠子はそう催促をしていた。お腹やおっぱいだけではなく、生まれたままの姿になって、吉川に全てを見て欲しいし、その全てを受け入れたいと、思ったのだ。
「じゃあ、僕も、脱ぐよ」
 無理やり服を脱がせようとしないあたりが、吉川らしい。
 一度身を起こして、背中を向け合った二人は、それぞれの衣擦れの音に興奮を高めつつ、一呼吸をおいてから、立ったままで、改めて向き合う体勢になった。
「!」
 よみの視線は、吉川の腰の辺りで反りあがっている男の象徴に注がれている。
「す、すごくなってるね、それ……」 
 当然ながら、初めて目にする男性器は、“すごい”というありふれた形容しかしようがないほどに、赤黒く充血し、硬直していた。
「よみの肌、本当に真っ白だ……」
 吉川は、日焼けの部分が全くない詠子の裸身に、釘つけになっているようだった。詠子の視線が、激しく欲望をむき出しにしている腰間にあることも気がつかない様子で、詠子の全身を眺め回している。
「で、でも、わたし、ここ、少し濃い目なの……」
 絨毯のような様子の“Vゾーン”に、吉川の視線を感じた詠子は、急に気恥ずかしさに襲われて、その部分に手をかざしていた。
「僕のほうが、毛むくじゃらだよ」
 確かに、毛の濃さを言うのであれば、実のところ、吉川の方が目立っていた。いわゆる“ギャランドゥ”(※へその部分から股座にかけて、体毛が濃い様子。超有名だが、これは俗語である)が、割れた腹筋と相俟って、その童顔からは想像もつかない、非常にセクシーな様相である。
「よみの、そこ、もっと見せてよ」
「え、あっ……」
 いうや、吉川はしゃがみ込んで、詠子の股間に顔を近づけてきた。
「ほら、手をどけて……」
「や、やだ……毛深いの、恥ずかしいから……」
 いつ、吉川に素肌を晒してもいいように、手入れは念入りにしっかりとしてきたが、いざ見られるとなると、やはり恥じらいは隠しおおせなかった。
「男の子って、つるつるの方が、好きなんでしょ……」
 調べた統計では、圧倒的なパーセンテージで“つるつる”な方を好みとする回答結果に行き当たり、詠子は沈んだ覚えがある。
「好きな人のが、一番好きだよ。だから、見せてよ……」
「こうクン……」
 根負けしたように詠子は、かざしていた手をゆっくりと遠ざけた。
「髪と同じで、綺麗な黒だね」
「お願い、こうクン……あんまり、じっと見ないで……」
 恥ずかしくてどうにかなってしまいそうだ。手は股間を隠せないので、詠子はその置き場に困り、結局、顔を覆い隠すしか出来なかった。
「内側の方が、キラキラしてる……」
「!」
 胸を揉まれた事で一度達したから、興奮が一番集まる場所にも影響が出るのは当然だ。


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