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『詠子の恋』
【スポーツ 官能小説】

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『詠子の恋』-25


 もみ、もみ、もみ……

「あっ、こ、こうクン、あっ、あっ……」
 パン生地のように胸を揉み捏ねられて、詠子は沸きあがってくる気持ちよさに、声を抑えられなくなっていた。
(さわられてるの、おっぱいだけなのに……)
 いつもしている自慰とは乗倍の愉悦が、詠子を悶えさせている。
「………」
「あっ……」
 腰回りに吉川の手が移り、ハイネックトップの裾をブラジャーごと捲り上げられた。お腹と乳房の素肌が、空気と吉川の視線に晒される。布地一枚の差が、こんなにも大きく感じられるのは、想像だにできなかった。
「よみの肌、真っ白だ……」
「あ、あんまり、外に出ないから……あ、んっ……」
 顕になった乳房に、吉川の手が覆いかぶさる。
「こ、こうクンの、手、熱い……」
「よみのおっぱいは、ひんやりしてる……」

 もにゅ、もにゅ、もにゅ……

「あぅんっ、ん、んんぅ、んあっ……!」
 直に揉まれる快楽もまた、詠子の想像を遥かに超えた次元のものであった。

 くにゅり…

「んあっ!」
 乳房の先端に、猛烈な刺激が迸った。吉川の指が、詠子の乳首を摘んだのだ。
「ご、ごめん、痛かった?」
 あまりに鋭い反応だったので、吉川が少し怯んでいる。自分が興奮しているのを知っているので、抑えないと荒々しい手つきになってしまうことを、懸念している風でもある。
「ううん……いいの……気持ち、よかったの……」
 詠子の瞳が、のぼせたように焦点を失っていた。乳首を摘まれた衝撃で、脳内の酩酊が一気に弾けて、詠子の肌を覆う触覚神経が、敏感さを増していった。
「もっと、もっと、おっぱい、触っていいの……おねがい、触って……」
「……うん」

 もにゅもにゅもにゅっ……

「んっ、あっ、い、あぅっ……!」

 くにゅ、くにゅくにゅっ……

「ひっ、んっ、んんっ、あはぅっ……!」
 吉川の愛撫に、荒々しさが加わってきた。詠子の言葉で抑制を解かれ、雄としての本能が命じるままに、その手に欲望を乗せて、乳房を弄び始めたのだ。
「よみのおっぱい、気持ちいいな……ずっと、揉んでいたいよ……」
 手に平に躍るその感触に、吉川は酔いしれている。思っていた以上に大きかったそれに、心底喜んでいる様子だ。
「んっ、い、いいよ……キミが、満足するまで……あっ、も、揉んでいいよっ……」
 そうすれば、自分もたっぷりと満たされることが出来る。乳房を発祥とした熱気を、太股の奥に感じながら、しかし、詠子は、胸に施される愛撫でかなり高い位置まで、己の性欲を高め昇っていた。
(お、おっぱいだけで、イッちゃう……!)
 自慰では到底たどり着けない領域である。ひとりでしていて、胸を触ると気持ち良くなるのは確かだが、ある程度の地点でそれは滞留する。
「こ、こうクン、もっと……もっと、おっぱい、もんでっ……!」
 それが、吉川に触られているというだけで、その域はあっという間に突き抜けて、詠子は己の性欲をもうコントロールできなくなっていた。
「よみ、往きそうなの?」
「う、うん……もうちょっとで、イッちゃうかも……」
「そっか、なら……」

 もにゅもにゅもにゅっ、くにゅくにゅくにゅっ……!

「ひぁあぅっ、んっ、あっ、こ、こうクン、す、すごいっ……!」
 吉川の両手の指の動きが、まるで、柔突起のようになって、縦横無尽に詠子の乳房と乳首を揉み摘みまくった。
「あっ、だ、だめっ、き、きちゃうっ……!」
 じわじわと、身体の奥からせりあがってくる、独特の浮遊感。
「こうクン、だめっ、わ、わたし、もう……!」
「いいよ、よみ。往って、いいんだよ」
 吉川は、指の動きを留めるつもりは毛頭ないようで、詠子もまた、“だめ”とは言いつつも、その動きが止まることは望んでいなかった。
「あ、イクッ……こうクン、ごめんっ、わたし、イクッ……!」
 びくんっ、と詠子の身体に震えが走った。
「あっ、やっ、あ、ああっ、ああぁあぁぁっ!」
 エクスタシーの衝撃に打ち貫かれ、たまらずに指を咥えながら、詠子は何度も体を震わせて、悶える姿を吉川の眼下に晒していた。


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