命令-6
「ふっ・・旦那とは別れるつもりはない。だからって、旦那じゃ満足できない事を
俺に求める。それは贅沢っていうんじゃないのか?
今はバレてないからいいさ。だが、もしバレたら・・?
慰謝料を請求されるのは俺だ。お前はシラを切って元の生活に戻れる。
俺は財産を失うばかりか探偵としての信用も失うんだ。
俺だけリスクを背負うのはおかしいだろう?
だから、別れる気がないなら・・このまま帰るんだな」
斉藤が急に真面目な顔をして話してくる。
強引で理不尽な行動が多い斉藤だったが、この件に関しては確かにその通りだった。
正論を述べる斉藤に返す言葉が見つからなかった。
つづく