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口伝つちのこ異聞
【その他 官能小説】

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口伝つちのこ異聞-4

 老婆が外へ出ると、女は引き戸を閉めて鍵を掛けた。
「祖母は離れで休むんです。朝まで来ることはありません」
私に言い聞かせるような言い方だった。

 雨戸を繰り終えた女は私に湯を浴びるようにすすめた。
「ぬるくなっていますから、汗もひきます。ぜひ…」
言われるまま入っていると、間もなく扉がノックされた。
「お背中流します」
私の返事を待たずに開かれた扉からは音もなく白い裸身が湯気のように現われた。
「あなたは…」
「何も言わないでください」
女は私の背に湯を流し、丁寧にタオルを使い、最後に肩の辺りに頬を寄せて、
「先に上がってください…」
吐息のように囁いた。私は股間の変化を隠しながら浴室を出た。

 部屋には適度な冷房が効いていて、枕元には酒と水、灰皿が用意されていた。
 (こんなことって…)
何か裏があるのではないか?いろいろ考えを巡らせてみた。そう思わざるを得ない稀有な事態である。しかし、
(了解済みのことなのだ。女の行動がそれを示している。運がいいということだ…)
信じられない展開だが、割り切って気持ちを整理すると、思いに任せて欲情が昂ぶってきた。

 やがて静寂の中をひたひたと微かな足音が伝わってきた。
部屋の前まで来て、間を置いて潛めた声をかけてきた女。畳に正座をしてたおやかに頭を下げ、まるで時代劇で観る伽のような挨拶をみせた女。 私は初々しい彼女の恥じらいと覚悟を感じてさらなる昂揚を覚えた。

 ところが、ためらうことなく浴衣を脱ぎ捨てて全裸になるとイメージは一変した。
 にじり寄ってくる美しい女体。私の浴衣に手をかけて脱がせながら熱い吐息とともに唇を合わせてきた。ゆっくり、しかも縦横に舌が口中をまさぐって蕩けるような動きが繰り返された。絶妙な舌技であった。
 私は甘い誘いにうろたえながら女の背に手を回して目を閉じた。肌は滑らかでありながら、しっとりと吸いつくような潤いがある。湯上りの温もりと女のもつ匂いが陶酔に引き込む麻薬のように鼻腔に流れ込んでくる。

 濃厚な絡みの後女の体が重なってきて、そのまま仰向けになった。触れていた口が離れて女の息が洩れ、爽やかな香料が匂った。
 上になったやや小ぶりで形のよい白い乳房が揺れる。上体を迫り上げ、せがむように乳首を私の口元に寄せてくる。先端を含むと初めて女の呻きが洩れた。
「ああ…」
軽く歯を当て、吸い、舌で弄う。両手は尻の谷間を探る。指先が蕾に達して尻がきゅっと閉じられた。
「あう…」
身をよじりながら、彼女の手はペニスを握ってきた。
「ああ…」
今度は私が喘ぐ。その拍子に口からまろび出た乳首は、小さなさくらんぼ……。
 柔らかな身のこなしで彼女は下へと移動していく。そしてペニスが吸い込まれるように咥えられた。
「あっ、ああ…」
(力が抜ける…)
亀頭を含んだ圧迫とそこを掠める舌の動きの加減がえもいわれぬほど心地いい。舌先が敏感な部分にじらすように触れてきて、上下、左右、角度も微妙に変化してくる。
(どうして、こんな…)
これは自然に出来ることか?老婆は慰めてくれと言ったが、こちらが翻弄されている。
 咥えたまま女の体勢が移動し始め、時計回りに下半身が迫ってくる。互いに舐める、ということだ。……顔を跨ぐ時、ねちっと粘着音がして、それは愛液の壺が開いたのであった。

 妖しく微笑む淫口が真っ赤に濡れ光った。
(陰毛がない…)
いや、剃っている。毛根の様相から分かる。
 なぜ?,と考えるより、恥丘の膨らみを露にした性器の全貌に私は昂奮して堪らず口を押し付けた。
「くうっ…」
女は一瞬ペニスを離すも、すぐに乱れた息のままふたたびすっぽり呑み込んだ。
 陰唇の内外、膣口を舌先でなぞり、ぬめりを掻き出す。石鹸の香の中に仄かな女臭が漂う。

 突然限界がきた。女をどかそうにもヤモリみたいに張り付いて咥え続けて離さない。
「もう、だめだ…イキそう…」
合図をしても女は舌頭を絡ませ、さらに小刻みな動きは速度を増した。私は覚悟して怒涛の快感に備えて四肢を踏ん張った。
 目いっぱい引き絞った弓がグンと矢を放った。
「あっ!あっ!」
放出の直後に女の吸引が追い打ちをかけてきて、耐えがたいほどの絶頂を迎えた。
「くうう!」
噴き出す度に女の喉が鳴ってすべて飲み込んでいるのが分かる。舌はなおも亀頭を這い、流れ出る精液を待ち受けるように鈴口をなぞった。


 女は多くを語らなかった。何か訊ねてもはぐらかすように微笑んで、差し障りのない言葉を口にして体を押し付けてきた。民宿を手伝うきっかけを訊いても、
「いろいろ考えることがありまして…」
濁すだけだった。
「今夜は何もかも忘れたいの…」
 女の手は常に私のどこかに触れて刺激を与え続けていた。。おかげで早めに反応が復活した。

(溺れてしまう…)
たわわな乳房に頬擦りをしながらそう思った。全身を被う脂ののった肉感。その感触を確かめながら、私は眩むような快感の波に没入していった。
 女はしばし、私に身を委ねた。女陰を舐めていると、ときおり小刻みに微細な痙攣が走るのが感じられる。明らかに昇っている。……口を噛みしめ、声を呑み込んでいる様子である。
 頃合いかと体を起こすと、女は乱れた息の合間に、
「そのまま、来てください…」
そして脚を開き、膝を引き上げ、膣口を上に向けて身構えた。
 宛てがって、のしかかった。
「あうう…」
埋め込んで動き始めて間もなく、女が合わせて腰を使い出した。私が引くと女も締めながら扱くように引く。その加減は膣そのものがペニスを包んで巻き上げている一体感であった。
 やがて女の締め上げがきつくなって律動が乱れてきた。頂の星が遠く瞬き、私はそこに向かって突き進んだ。
 首に絡んだ女の腕にぐっと力が加わる。脚にも挟まれ、まさに一体となった。


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