「誰?」から「彼」へ-4
一瞬何がおこったのかよくわからなかったが、次の瞬間理解した。今日は短パンをはいて来るのを忘れてしまっていたことを思い出した。私はうかつにも忘れたこと自体を忘れて体操座りをしてしまっていた。
「あーもー!恥ずかしー!」
顔がほてっているのがよくわかる。恥ずかしさを消すためにわざと大声をあげた。彼は私に背をむけてうつむいている。
「……ドン引き?」
そう言いながら彼の肩に手をかけたが、反応が無い。
……やばー。マジでひいてんのかなぁ。
顔をのぞきこむと、彼は顔を赤くさせながら少し困ったようなあせったような顔をしていた。
私も恥ずかしくて、気が動転していたのかもしれない。彼の耳元に顔があることを考えずに思いっきりフーッとため息をついてしまった。
「!!!」
彼が一瞬ギュッと目をつぶる。
「あ、ごめん!息かかった?」
そう言うと困ったような顔つきでこっちを見た。
「綾さん……天然でやってんスか?」
「えっ?」
彼の顔を見ながらふと下に目をやると、ズボンの前部分がふくらんでいるように見えた。
えっ!?あれって……。ううん、座り方でにズボンの生地がああいう風になってるだけかもしれないし……。
「綾さん、ヤベーって……」
彼の赤い顔が私を見ながら、手が私の顔にふれる。
うわ、ヤバイ。
座り方じゃなかったんだ。
そう思った瞬間キスされていた。舌をたっぷり絡めた濃厚なやつを。
「……ちょっ!」
唇が離れた次の瞬間、顔から胸に手がいく。
「だめ!学校で……ちょっと!」
「だって綾さん……ヤバイんだって」
そう言いながらシャツのボタンをはずしていく。
ヤバイ。あたしだってヤバイ。前の彼氏と別れてもう半年ぐらいたつから、久しぶりの刺激に体が疼いてる。AVみたいな展開にちょっと興奮してるのも事実。
!!!
……あぁ、ブラはずされちゃった。
もう、半分諦めてる。ていうか、あたしだってムラムラしてくる。こんな風に思うのってやっぱ淫乱なんだろうか。どうしよう。もう抵抗する気なんか無いけど、しとかないと淫乱とか思われちゃうかもしれない。
「だめ……だめェ」
そう言いながら軽く頭を押すが、全く離れる気配は無い。口が胸に吸い付き、乳首が舌で転がされる。チュパチュパと言う音が本当に官能的だ。
「はぁ……」
感じている、としか聞こえないようなため息を洩らしてしまった。すると彼は嬉しそうな顔になり、更に胸をせめる。吸ったり、揉んだり、引っ張ったり、つかんだり……。その度にあたしは吐息をもらしてしまう。
「んふ……も……」