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「誰?」から「彼」へ
【学園物 官能小説】

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「誰?」から「彼」へ-3

くったくのない顔で私に笑いかける。
あぁ、ちょっとこの顔結構イイかも…。
――じゃなくて!

「えっと、あたし山下くんのこと全然知らないから……付き合うとかは……ごめんなさい」

気まずい空気が恐くて下を向いて精一杯逃げながら、何とかそれだけ言った。

「……俺のことが嫌いとかじゃなくて?」

彼は特に傷ついた様子も無さそうに聞き返した。

「まぁ……嫌いとか、そうゆうんじゃないよ」
「だったらいーじゃん。付き合って下さい」
「はっ?」

予想外の答えが返ってきたことにびっくりして顔をあげる。

「だってさぁ、普通に最初っから両思いとかありえなくないっスか?普通はどっちかが好きになって、もう片方がだんだん好きになってくもんでしょ」
「まぁ……そうゆうパターンもあるかもねぇ」

彼のいうことにも一理ある。私は素直に同意した。

「だから付き合って下さい!そんで俺のことだんだん好きになって下さい!」

さっきと同じ、満面の笑みでそう言われてしまった。顔はそこそこタイプだけど……やっぱり無理だ。今日初めて会った人なんて無理。
あぁ、この笑顔を断るとなるとちょっと良心が傷つくなぁ……。

「えっと……やっぱり…今日初めて会ったし、ごめん。あの、あたし結構人見知りなんだよね。だから、仲良くなったら男子とも全然話せるんだけど、仲良くない人とは何話したらいいかわかんなくなっちゃうっていうか……。どうせそんな奴といてもつまんないっしょ!」

できるだけ傷つけない言い回しをしたつもりだけど……どうだろう。

「つまんなくないッスよ!」

あら……。前半部分に対しての返事がほしかったなぁ……。
私の困ったような顔に気付いたのか、彼は下をむいてしまった。

「じゃあ、友達からってどうッスか?」
「へっ?」

彼をどうなぐさめようか考えていたところ、拍子抜けするぐらい真顔で話し掛けられた。

「漫画とかでよくあるじゃないッスか。『お友達から』ってやつ」

まぁ、友達なら……。
かっこいい後輩と知り合いになると考えたら、少し優越感が生まれた。

「じゃあ、友達で……」
「よっしゃ!!よろしくお願いします!」
「は、はぁ……」

大げさに喜ぶ彼を見たら、力が抜けた。正座していた足をくずす。

「あ、そんで、綾さんって呼んで……いー…ッスか?」
「?……別にいいけど」

言葉の途中で照れたような笑い顔になった彼を不思議に思いながら返事をする。

「綾さん……パンツ、黒ッスか」
「はぁ!!?ちょっ……あっ!!」


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