『SWING UP!!』第14話-29
「ど、どうしよっ、あ、あっ、だ、だめっ、ああぁあああぁあぁぁっ!!」
びくびくびくっ、と、桜子の身体が大きく震えた。なんと彼女は、生身の大和を中に受け入れた瞬間、エクスタシーを迎えてしまったのだ。
「くっ、桜子の中が、すごい震える……!」
大和の“宝刀”に襲い掛かる、肉襞の痙攣。電磁波にも似たその微弱な震えが、張り詰めている大和の刀身に宿る魂魄を、解放させようとしている。
「う、ううっ……!」
大和はしかし、その解放を何とか押し留めた。桜子の中に入って、まだ少しも経っていないのに、魂を遊離させるにはあまりにも惜しすぎる。
「あ、あたし、また……イッちゃった……」
「あ、ああ……みたい、だね……」
大和は堪えたが、桜子は堪えきれなかったようだ。それだけ、生身の接合が起こした火花は、絶頂のスパークを起こすほどに高温だったということである。
「で、でも、また、すぐ、イッちゃいそうだよぉ……」
桜子は、連続でエクスタシーを迎えている。その浮遊感が身体に残っていて、何かの拍子に弾けてしまいそうなのだろう。それを証拠に、胎内に埋まっている大和の刀身は、桜子の膣内に起きている微細な痙攣を、直に感じ取っていた。
「しばらく、じっとしているから……」
「う、うん……ありがと……」
動いてしまえば、そのひと擦りだけで、桜子は達してしまう自覚があった。そしてそれは、大和も同様であり、従って二人は、落ち着きを取り戻すまで、繋がったまま静かに時を過ごすことにした。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
桜子が息を落ち着かせようと、何度も深い呼吸を行う。
「うっ……」
その呼吸に合わせて、膣の中がうねるものだから、剥き身の刀身を全て収めている大和としては、じっとしていても、油断をすれば魂の解放がすぐにでも起こってしまいそうで、どうにも堪らなかった。
「あっ、だ、だめ……やっぱり、だめっ……!」
びくびくっ、と、桜子の太股が震えた。ほんのわずかな刺激を受けても、桜子は絶頂に達してしまうほど、敏感になってしまっているらしい。呼吸でそれを落ち着かせようとしても、無理だったようだ。
「や、やまと……あたし、もう……ん、んんっ!」
小刻みな痙攣が止まらない。大小の差はあれど、桜子はもう、何かの刺激を受けるだけで、達してしまう状態になっている。俗な言い方をすれば、“イキっぱなし”になっているのだ。
「や、やだっ、と、とめられないっ……イ、イクの、とめられないよぉっ……!」
「す、すごいっ……桜子のなか……う、うあっ……!」
腰を揺すぶっていないにも関わらず、大和は、自分の刀身が桜子の襞によって愛撫を受けている認識があった。ゴムをつけていないから、余計にその感触が伝わってきて、大和はたまらずに呻き声を上げた。
「んくぅっ……ま、また、イクッ……!」
「す、吸い込まれるようだっ……う、うぉっ……あ……!」
桜子の胎内を生身で感じるのは、初めてではないというのに、今まで味わったことのない溶け合ったような一体感に、大和は酔いしれた。
「ぼ、僕も、もう、我慢できそうにないっ……!」
たったのひと擦りもしていないというのに、大和にも限界が訪れた。
「こ、このまま、出すよ、桜子っ……!」
「う、うんっ……き、きてっ……なかに、きてぇっ……!」
無意識のまま差し出してきた桜子の手を、大和は掴みしめる。
「さ、さくらこっ……う、ううっ……!」
そのまま、奥に自らの刀身を埋め込んだまま、動くこともせずに大和は、込み上げてくるものの勢いに任せて、桜子の奥に向けて、魂魄の全てを解放した。
どびゅるっ、びゅるびゅるびゅるっ……!
「んはうっ、き、きてるっ……あついの、きてるっ……!」
桜子の奥に潜む、子宮の入口に大和の熱気が余さず降り注ぐ。
「ンあっ、イ、イクぅっ……!」
ゴムをつけているときでは味わえない、生命の奔流が生み出すその熱気は、桜子をまたしても性の高みに押し上げて、四肢を強張らせ、痙攣させた。
びゅるっ、びゅるびゅるっ、びゅるるっ……!
「あ、あうっ、す、すごいっ、まだ、でてるっ……ん、んんっ!」
びくっ、と、桜子の身体が震えた。何度目になるのか、数えることも忘れた、絶頂の反応だった。
「も、もうだめ……あ、あたし、おかしくなっちゃうよ……あ、ああっ!」
びくびくっ、と、バネの仕掛けが狂ってしまったかのように、何度も何度も痙攣を繰り返す桜子。
「あぁぁ、あ、ああぁあぁぁ……」
口の端から涎を垂らし、その瞳は焦点を失って、桜子はほとんど失神したかのように意識を混濁させながら…、
「や、まと……やまとぉ……」
それでも、握り締めていた愛する人の手は、離さなかった。