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天野安冶の受難
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女友達の訪問-3

その辺の真実を知りたいから、俺は腹を割って話し合うことにしたね。
まず、俺は甘粕の名前を伏せて今回の経緯を簡単に説明した。
俺が説明している間、ヨッシーが自分のケーキを俺によこし、サッシーのケーキを半分もらって食べていた。
そういうところがこいつの偉いところだ。
サッシーと天道さんと番頭さんくらい違う!
「僕は……僕は……」
サッシーは斜め前方の床を見ながら言い淀んでいた。こら、さっさと白状しろ。
お前のしたことを考えろ。
俺とジャッキー・チェンの誕生日に、ケーキをぶつけたんだぞ。
よほどすごい言い訳をしないと、許せねえからな!

「僕には継母がいたんだ。その連れ子が僕より2つ上の男の子で、そいつが僕が小学校2年生の時に布団に潜って来て、へんなことしようとした」
ストップ! わかった。もうわかったから、それ以上言うな!
「僕がパパにそのことを言ったら、パパは継母と連れ子を家から追い出したんだ。
もっともその前からうまく行ってなかったみたいだったけど。
で、僕はそれ以来……」
ストップ! もう良い。俺はもうわかってしまった。つまり全体図が見えたんだ。
俺が仕入れた情報によると、サッシーは小学校2年生の途中から急に男の子っぽい格好をし始めたって言うんだ。
それが中学校卒業まで続いて、高校になってから急にロン毛の美少女モードになったらしい。
それがほんの半年前、また元通りの少年っぽい格好や態度になったのだ。
その原因はよくわからない。
だが男の子っぽい態度やスタイルをするのは、その小さい時の体験が関係してるらしいってことだ。
俺は心理学はわからないが、連れ子の兄に性的虐待を受けたサッシーが男性不信になり自ら男っぽい格好をすることにより男を寄せ付けないようになったって思った。
だがやっぱり女だから一念発起して高校デビューをしたんだろうが、それもなんらかのきっかけがあって元通りになってしまったって感じだ。

 


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