ツンデレ。-6
「ひとつ、訂正する」
目はアキを見据えたままだ。
「たいがい知れたもんだとは思ってたが」
言いながらアキの髪をまとめたシュシュを解く。
「…想像以上だな」
まとめていた髪は、ばさっと肩に落ちる。
「まぁ本当は、…つーか…、いや、もーいいわ、限界」
なにかを言いながらシュシュをテーブルに置き、アキの頭をひと撫でしてアラタは言った。
「…実際お前にめちゃくちゃ興味ある」
それが合図だった。
「…ひぁっ…!!!」
アキに電撃が走る。
今、目の前にあるはずのアラタの顔が、ない。
代わりに脳天まで直撃するほどの熱い電撃。
アラタは、アキの秘部を貪っていた。
意味をなさないランジェリーなど引きちぎり、なにも纏わぬその部分に口をつけ、一心不乱に貪っているのだ。
強く、とても強く、激しい愛撫。
腰をおもむろに引き寄せ、アラタの顔はアキに埋もれている。
つい先ほどまで弱く擦られただけのアキの肉芽は、今アラタの舌によって完全にめくられ、その存在を真っ赤に象徴しながら愛撫に応えていた。
「ん!やぁっ!あっ…あぁ!も…あぁん!だめぇ!」
口をついて出るのは、はしたなくも感極まった甘い声。
どうしてこんな展開になったのか――――
今、誰になにをされているのか――――
アキの思考などとうに停止していた。
後から後からやって来るどうしようもない快感に、身を委ねるほかなかったのだ。
腰を捕まえられたまま、アラタの指によって淫靡な口が開かれた。
と、たちまち蜜が溢れ出し、その指をとろとろに湿らせた。
「…へえ、すげーじゃん」
そう言うと、アキの熱く滴る口に指を2本沈ませた。
じゅくっ。
「はぁぁぁっ…!はっ、はっ、んぁ…、あぁ…」
決まったリズムで抽出を繰り返す指に、声を我慢しようにも到底無理な快感の波。
男らしい太い指がもたらすその快感といったら。
「あっ、あっ、あっ、や、せん、せ…」
必死にアラタを呼ぶ。
すると指の動きが遅くなった。
ゆ…っくりとスローに動く指、しかしそれはアキにとってもどかしい速度。
なんで…もっと…もっと…!
頭の奥でアラタの激しさを追い求めてしまっている自分。
ふと、アラタの顔を見た。
愛おしそうで、切なそうで、どこか儚げな表情。
視線が絡み合い、顔が近づく。
―――――泣けてしまうくらいの優しいキスをされた―――――
長く、とろけるような舌の動き、呼吸のリズム。
首裏には大きな手、もう一方の手は変わらずいやらしい音を奏でている。
つい数分前の激しさがまるで嘘のような、アキへのまさに「愛撫」。
ずるいよ…先生…
見ないように、考えないようにしていた思いが蓋を開けてしまいそうだった。
あくまで仕事のパートナーだと言い聞かせていた自分の、今の有様。
焦がれて、焦がれて、どうしようもない快感へのもどかしさと、その官能をも飲み込んでしまいそうなアラタへの意識がアキを支配する。
ふっ、と指が止まり、口付けが離れた。