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幼馴染のお姉さん
【コメディ 官能小説】

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幼馴染のお姉さん-3

「どうって、俺としては今すぐ解放して欲しいですよ」
 この縛られた状態って何気にきついんだよね。だからそろそろ自由をかみ締めたい。
「……そっか。それじゃあ仕方ないかな〜? 和樹くんのお望み通り自由にしてあげるよん」
「……え?」
「何々〜? 自由になりたくないの〜?」
「あ、いや、そういうわけじゃ……」
 ただ春香さんがこうも簡単に解放してくれるなんて、何か裏がありそうで恐い。
 普段の春香さんなら『和樹くんに物事を決める権利なんてないのよ〜♪』とか言いなが
ら、有無も言わさず行動を起こすはずなのに。
「――はい。これで和樹くんは自由ね〜」
 何故、こうも簡単に解放されたんだ? 分からない。春香さんが何を考えているのか全然分からない。
「どうしたの和樹くん。もしかして〜やっぱりまた縛られたいとか思ってるの〜?」
「そんなこと思ってませんって! そんなことよりも風呂に入ってきます!」
 早く風呂に入って下半身についている精子を洗い流したいからな。それにパンツも変えたい。
「そう。行ってらっしゃ〜い」
 やけにアッサリと俺の見送る春香さん。その行為に不信感を抱きながらも風呂場へと移動する。

「……ふぅ。やっぱり風呂は気持ちがいいな。疲れが取れるというか、なんだか心が安心する」
 一人でゆったりと出来る空間。ただただ、ノンビリと過ごせる時間。それが実に嬉しい。
「さすがに春香さんも風呂場までは入ってこないはず……」
 確信を持っていえるわけじゃないけど、入ってこないで欲しいと願ってはいる。
 寝起き早々、あんなことをされたんだ。せめて今、この瞬間だけは邪魔をして欲しくない。
 きっとこの後も色々面倒なことをされるはずだから。せめて今だけは休ませて欲しいよ。
「はぁ。それにしても、やっぱり風呂は最高だ♪」
「和樹く〜ん!」
「は、春香さん――っ!?」
 う、嘘だろ……? まさか風呂場にまで侵入してくるというのか? 俺のこの憩いの時
間までも潰そうとしているのか?
「な、何でしょうか……?」
 冷や汗をかきながら、恐る恐る春香さんに用件を聞く。お願いだから一緒に入るとか言
わないでくれよ……
「和樹くんの着替えの服、ここに置いておくからね。ちゃんと着替えるのよ〜」
「え……それだけ?」
 ただ俺の着替えの服を用意してくれただけなの? 本当に? 嘘や冗談じゃなく? 春
香さんがただの善意で俺のために……?
「なんか凄く失礼なことを思われた気がするわね〜」
「そ、そんなことないですよっ! それよりも服を用意してもらってありがとうございます」
「いえいえ〜気にしなくてもいいのよ。それと、ゆっくりとお湯に浸かるのよ」
「あ、はい」
「うんうん、じゃまた後でね〜」
 声だけで姿は見えないけど、きっと春香さんは手をふりふりと振っているのだろう。だ
から俺も見えないのを承知で春香さんへ手を振る。
 ありがとうございます、と呟きながら。

「――さっきの感謝の言葉を速攻で撤回したい……」
 着替えの服の用意をしていなかった俺のために新しい服を用意してくれてたと思ったの
に、この仕打ちはあんまりじゃないだろうか。
「何で、こんな服なんか……」
 手にとって服を広げると、男物の服ではなく女物の服だった。
 ヒラヒラとしたスカートにリボンがついているシャツ。それが俺の着替えとして用意さ
れていた。風呂の邪魔はされなかったけど、その後に面倒なモノを残してくれやがった。
「こんな服、着るなんて出来るわけがない」
 こんな服を着てしまったら、俺の男としての尊厳が失われてしまう。だから、女物の服
を着ることなんて出来ないんだ!
「あら〜服の着かたが分からないの? それなら私が教えてあげるわよ〜♪」
「――っは、春香さん!? どうしてここに?」 
「どうしてって〜いち早く和樹くんの女装姿を見たいからよ〜」
「見たいからって、俺はこんなの着ませんからね」
 ここは俺の家なんだし、部屋に戻れば俺の服なんていくらでもあるんだ。わざわざここ
で、女物の服に着替える必要なんかない。
「でも〜今和樹くんが着れるのはコレしかないのよ〜」
「いや、俺の服がありますから」
 風呂場から自分の部屋までを我慢すればいいだけだから。
「いや〜実はね〜和樹くんの服、全部洗濯しちゃったのよね〜♪」
「はぁ!?」
 俺の服を全部、洗濯してるだと!? あ、あり得ない。いくらなんでもそれは嘘を吐い
ているだけだろ?
「ふふ〜ん、そこまで言うのならこれを見るといいわ〜」
 そう言って、洗濯機を指さす春香さん。そういえば何で洗濯機が動いて……
「ごめんね? つい、洗濯しちゃった〜♪」
「しちゃったじゃないよ! てか、春香さんが勝手に洗濯したの!?」
「そうよ〜」
「んが――っ!?」


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