投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

幼馴染のお姉さん
【コメディ 官能小説】

幼馴染のお姉さんの最初へ 幼馴染のお姉さん 3 幼馴染のお姉さん 5 幼馴染のお姉さんの最後へ

幼馴染のお姉さん-4

 そうよ。じゃないし、何で嬉しそうに言っているんだよ! つーか、そもそもあれか。
さっき声をかけてきたのは、服を用意するだけじゃなくて、俺の服を全部洗濯するためなのか。
「和樹くんはもう、この服を着るしかないわよね〜?」
「い、いや……まだ服が乾くまで待つという選択も……」
 多少、身体は冷えるが、女物の服を着るくらいなら、冷えくらいは我慢しよう。
「それはダメよ〜和樹くんが風邪を引いたら、お母様に合わせる顔がないわ〜」
 女装させても合わせる顔がないのだけど。
「ささ、大人しくその服に着替えましょうね〜」
「や、止め……っ、ちょ、春香さん!? あ、あぁ……アッ――――!」
 何の抵抗も出来ないまま、女物の服を着せられてしまった。
「や〜ん♪ 和樹くん、すっごく可愛いわよ〜♪」
「…………全然嬉しくない」
 俺の男としての尊厳。それが春香さんによって奪われてしまった。こんな……こんな女
物の服を――ヒラヒラのスカートを穿くだなんて。
「うふふ〜こんなにも可愛いのなら、このまま外に出てもいいかもしれないわね〜」
「はぁ!?」
「あぁ〜きっと謎の美少女って町内の噂になっちゃうかもしれないわ〜」
 それは絶対にない。噂になるのならむしろ、謎の女装をした変態がいるってところだろう。
 そんな変態の発生源になりたくはないんだけど!
「じゃ〜行っちゃおうか」
「いやいやいや、行きませんよ! この格好のまま外になんか絶対に行きませんから!」
 不覚にも女物の服を着るはめにはなったが、この格好のまま外に出るのだけは断固拒否させてもらう。
 これだけは絶対に譲らない!
「え〜せっかく可愛いのに、もったいないな〜」
「もったいなくないから。それに俺の服が乾いたら、すぐにでも元の格好に戻りますから」
 女物の服を着るのは、せいぜいあと一、二時間くらいだろう。服が完全に乾いてしまえ
ばこっちのものだ。すぐにでも自分の服に着替えてやる。
「あら〜私がそんなことさせると思う?」
「……もしかして邪魔をするつもりですか?」
 男の尊厳を奪っておきながら、更に俺に辱めを与えようと?
「うふふ〜だって〜和樹くんを弄るのが私の趣味なんだも〜ん♪」
「相変わらず最低の趣味をお持ちで……」
 人を弄るのが趣味って、もう少しマトモな趣味を持つことは出来なかったのだろうか?
 年相応の女性らしい趣味の一つや二つ、持っていてもおかしくはないのに、唯一持って
いる趣味が俺を弄ることって、最悪だな。
「褒めても何もでないわよ〜」
「欠片も褒めてませんからね」
 何処をどう解釈すれば褒めていると思えるんだよ。
「そうなの? 和樹くんは私をバカにしたのかしら〜? だったら、少しお仕置きが必要
かもしれないわね〜ええ、お仕置きが必要だわ」
 俺に答えを聞く前に勝手にお仕置きをするという方向で納得している春香さん。春香さ
んには悪いけど、女装していることがもうすでにお仕置きだよね?
 それなのに、これ以上どんなお仕置きをするというのだろうか。
「ではでは〜まずはこれから始めましょうかしら〜」
「まずはって何!? まだ何個かお仕置きがあるっているの!?」
 普通、お仕置きといえば一つだけでしょ。それなのに、何個かお仕置きを用意しているというのか?
「じゃじゃじゃ〜ん! 女性用下着〜!」
 まるで、某猫型ロボットが道具を出すかのような言い方で女物の下着を出す春香さん。
 まさかとは思うけどこれを――
「和樹くんにはコレを穿いてもらいましょ〜う」
 やっぱりかよ! ただでさえ、この服を着るのに抵抗があったというのに、更に女物の
下着を身につけろというのか。無理、無理に決まっている!
「ちょろ〜とサイズが小さいかもしれないけど、たぶん大丈夫でしょ」
 全然大丈夫じゃないから! サイズとか関係なしに大丈夫じゃないから!
「ほらほら〜さっさと穿いてしまいましょうね〜」
 ズズイっと、下着を俺に押し付けてくる。ほ、本当にこの下着を穿かないといけないのだろうか?
 実は冗談でした! とかならないだろうか。
「早く♪ 早く♪」
「…………」
 この玩具を待ちわびる子供のような表情。これは間違いなく冗談では済まされないな。
 いや、だからと言って、コレを本当に穿いてしまうのは――
「……和樹くん?」
「な、何ですか?」
「あまり私を怒らせないでね? 和樹くんはちゃんと出来る子だよね?」
「え、えっと……」
 春香さんの様子がおかしい。何だか口調がいつもと違うし、声のトーンも少し低い感じがする。
「私の言っている言葉の意味分かるよね? そして、和樹くんが何をするべきなのかも」
 それに心なしか、この場の空気が冷たくなってきたような……
「パンツ……穿く、よね?」 
「…………」
「返事は?」
「は、はい……」


幼馴染のお姉さんの最初へ 幼馴染のお姉さん 3 幼馴染のお姉さん 5 幼馴染のお姉さんの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前