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【フェチ/マニア 官能小説】

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幻想の終焉-1

政夫36歳
■幻想の終焉

マンションの「401」号室には誰もいなかった。
中道から「重要な話がある」とここの鍵を渡され、入室し、待機している。えらく生活臭のない部屋だ。

すると外から鍵を開ける音がする。「中道め、やっと戻って来やがったか」と思っていたが、扉を開けて入ってきたのは私の予想だにしなかった人物だった。
「どうしてあなたがここにいるの?」
相手は驚いた様子で私を見ていた。妻の千恵子だった。私も驚きを隠せない。
「千恵子こそどうしてここに来たんだ」
よく見れば、千恵子の後ろに体格の良さそうな男が2人いる。
「紹介するわ。私が通っているフィットネスクラブで知り合ったの。コーチの明良さんと伸二さんよ」
「ご主人様ですか。いつもお世話になっています」
明良とかいう奴が挨拶してきた。どちらの男も20代後半というところだろうか。少なくとも私よりかは若い。

「で、千恵子。こんな部屋に何しに、いや、フィットネスのコーチと何しに来たっていうんだ?」
「いやだわぁあなた。レッスンを受ける為に決まってるじゃないの」
千恵子はバツが悪そうな苦笑いをしている。
「そうそう、奥さんはちょっとカラダが硬くてね。このままでは老化が進んでしまう。ですから僕たちが協力しているんですよ」
伸二が言った。一体どういう事なんだ。千恵子がフィットネスに通っているのは知っていた。いつも真面目に家事をしてくれているし、それくらいは楽しくやらせてあげたい。だが。
「カラダが硬いって?お前、伸二とか言ったな。どうして千恵子のカラダが硬いって判るんだ?」
私でも知らんのに…
すると千恵子の表情が「しまった」と言っているように見えた。伸二は、そんなことお構いなしに答える。
「そりゃあレッスン受けたら、誰だってカラダの硬さ柔らかさは判りますよ」
「どうすればわかるんだよ?」
「こうするんですよ、ご主人」
伸二は千恵子を押し倒した。
「ちょ…ちょっと…いやよ」
「千恵子さん、いいじゃん…やろうよ」
「いや…ここではいや」
私は唖然とした。
千恵子からその言葉を聞いた時、私が信じて疑わなかった妻への想いが脆くも崩れ去った。
『ここではいや』と千恵子は言ったのだ。
じゃあ、いつも私に隠れて、こんな奴らにカラダを許していたのか?

千恵子の男性恐怖症は嘘だったのだ。
私に隠れて、こんな奴らと密会して、遊んでやがったのだ。男性恐怖症だと理由をつけて私を拒否し、その裏でこんな奴らに抱かれて喜んでいた千恵子…
何でだ。何でなんだよ。
正に悪夢を見ていた。

千恵子はそんな落胆する私にお構い無く、奴らとのプレイを見せつけている。
「んうん…あああ…」
「ご主人、興奮してるみだいだよ、千恵子さん。貴女も悪い女だなあ」
「いやん…言わないでん」
明良に囁かれて、千恵子はいう。

私の中では男としての情けなさと興奮が入り雑じっていた。


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