幻想の終焉-2
今や千恵子は、ベッドの上で精気をみなぎらせた男2人にされるがままになっている。私はそんな光景を地べたに尻をつきながら見入っていた。
「い、いやよ」
伸二のほうを向いて千恵子が声を出すが、それは嫌がっているものとは明らかに違っていた。伸二は千恵子と唇を交わし、ブラウスの上から彼女の乳房を優しく揉む。明良は千恵子のスカートを脱がす。紺にピンクのドット模様のパンティ−が千恵子の白い肌を引き立たせている。明良はパンティー越しに顔を埋めてしゃぶりつく。
「うっっ…あぁぁん」
千恵子の声が漏れる。私は興奮を抑えきれない。妻を夜のオカズにしていても、こうして生で乱れてエッチな声を出すところなんて初めて見たからだ。
「ご主人、いかがですか。あなたの奥さん、こんなにエッチなんですよ。興奮するでしょ。僕もですよ」
「いえいえ、ショーはこれからだよ。さあ、ご主人にタップリ見せてあげようね。千恵子さん」
「いやん、恥ずかしい」
明良と伸二は、服を脱いで全裸になって立ち上がる。真中にいる千恵子は上着を脱いで下着姿になり、左右にいる男2人のモノをよだれを垂らしながら、たしなめる。
「「あぁぁ」」
「うふん…ぷちゅ」
千恵子の厭らしい口に我慢出来ず、私はパンツを下ろしてしまう。
「千恵子さん、ご主人もフェラしてほしいそうですよ」
「…あん…いや…」
「ご主人。千恵子さんは嫌だそうです」
フェラで気持ちよくなっている明良が挑発する。
「でも、ここまで来て見ればいいじゃないか」と伸二が言ったので、私は取りつかれるようにベッドに顎をのせて猥雑な光景を見入る。
「あああ…(タラリ)…」
舌を這わせ、唇からよだれを垂らす千恵子に、心臓が脈打つ。ああ…千恵子…千恵子…我慢出来ないよ…
そして千恵子はそのまま私を厭らしく見つめる。
「うふぅ〜ん、あはぁ」
…うっ…ポタ…ポタ…
私の股間から精液の雫がゆっくりと床に落ちた。
「あれ?ご主人、イッちゃったみたいだね。ダメじゃないかあ、千恵子さん。ご主人をそんなに苛めたら」
「でも早いんだね、ご主人。こんなくらいで感じるなんて、僕羨ましいですよ」
はぁっはぁっ。ご主人、ご主人っていうな。千恵子が息を弾ませながらいう。
「うふ…あなたっ。興奮した?…あなたいつも私を見てやっていたわよね」
「知ってたのか」
「私達…夫婦じゃない…嬉しかったわぁ…あなたが他の女じゃなくて私だけを見てイッてくれるなんてぇ」
「んじゃあ、何で嘘を」
「だってぇ…あなたって早いもん…それに下手だし」
私は思い出した。結婚する前の話だ。成り行きでホテルまで行ったことがある。そこで、千恵子と夜を過ごしたが経験の浅い私は上手く行かなかった。童貞ではなかったが、玄人と1回やっただけなので、経験そのものは童貞と同じだ。それで不覚にも途中でイッてしまったのだ。
それからだった。千恵子に触れることすら出来なくなったのは。男性恐怖症…それは私に対する拒否の宣告だったのだ。