投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

中道深夜探偵事務所へようこそ
【フェチ/マニア 官能小説】

中道深夜探偵事務所へようこその最初へ 中道深夜探偵事務所へようこそ 22 中道深夜探偵事務所へようこそ 24 中道深夜探偵事務所へようこその最後へ

山頂に沈む幻想-5

私は顔を除けばカラダはボロボロになっている。私は木の柱に全裸のまま括りつけられている。

「お願いします…もうやめてください…許して下さい…何でもします」
私は、目の前の野獣達に懇願するばかりだった。
「その言葉、何人の男がお前達に言ったと思う」
「ごめんなさい…本当にごめんなさい…でも私は謝ることしか出来ないの…ううっ…ううっ」
「何泣いてやがるんだ」
冨士雄のパンチが私の腹に入る。何か内蔵が飛び出そうな衝撃をうけた。暫く息が出来なかった。
「よし、今度は俺にやらせろ」
悠二が言った。すると向こうのほうから懐中電灯の光が差した。明良達が眩しそうにしている。私は意識朦朧としていた。

「君達、もうそれぐらいで許してやってくれないだろうか?」
清涼感のある男性の声がした。
「誰だ?」と明良が言う。
「我々にとって麻衣子様は大事なお客様なのでねえ」
今度は渋めの声がした。明良がランタンを照らすと、そこには小柄な少年と白髪頭の老人が立っていた。
「何なんだお前達」
「君達も頭悪いねえ、奇怪高校って偏差値低いのかなあ。それじゃあ、お嬢さんにも舐められますよねえ。だ〜か〜ら〜、麻衣子さんは僕のお客様なのですよ」
少年が言った。私はその時に解った。中道さん…それに坂井さんまで…
ダメよ…逃げて…この人達危険だわ。心の中で呼び掛けたが彼等には届かない。
「ぬぁんだとぉぉ」
冨士雄が殴りかかって行く。すると中道の姿が消えた。
「こっちですよ。奇怪高校さん」
いつ移動したのか私の目には見えなかった。既に冨士雄の背後に中道がいる。ハッと気を取られて後ろを向く冨士雄。その空いた前から坂井が一発入れて気絶させる。
「舐めた真似を」
悠二がナイフを、明良が金属バットを持っている。
「馬鹿だねえ。僕達にそんなもの効かないのに。それでは君達もおやすみ」
中道は2人一緒に片づけた。腹に一発ずつの瞬殺。
「代表、結構使えそうなデータがありますな」
「そうか、では頂いておこうか」
そう言い終わった後、2人は私の所へ近づいてきた。
「よく我慢しましたね。麻衣子様」と坂井に宥められた時、私はすがるように抱きついた。



私が目を覚ました場所は、見たこともないリゾートのような建物内だった。
「気がつかれましたか」
今は朝だ。ここは病院だった。カラダの痛みが不思議と取れている。ただ、痣は残っていた。
「中道様から麻衣子様の治療を申し受けています。あと1日もすれば退院出来ます」
医師の説明に頷く私だったが、心に受けた傷は肉体のそれよりもずっと大きかった。



病院を出た私は考えていた。ずっと私達がやってきた事を昨日私が味わったのかしら。
私は既に罪を重ねている。何を持って償おうかしら?

気がつけば高速道路に繋がる陸橋の上を歩いている。
ここからなら償えそうね。
橋の向こう側に男の人が居るようだけど、もうそんな事どうでもいいわ。みんなごめんね…

許してね…


中道深夜探偵事務所へようこその最初へ 中道深夜探偵事務所へようこそ 22 中道深夜探偵事務所へようこそ 24 中道深夜探偵事務所へようこその最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前