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中道深夜探偵事務所へようこそ
【フェチ/マニア 官能小説】

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訪問者-2

相談者の女性は1枚の写真を差し出した。そこには若い男性が写っている。年齢的にはこの女性と同じく20代前半というところだろう。
服装が地味だから分かりにくいが、かなりのイケメンだ。それなりの服を着せて装飾させたら、そこら辺りのホストよりも格好よく見えるだろう。それに何よりも爽やかな印象がある。

「こ、この人の調査をお願いしたいんです」
女性は言葉を詰まらせながらもそう言った。
「さて、どのような調査でしょうか?」
「そ、それは…」
女性は中道の問いにたじろいでいる。
「どうやら大切な方のようですね」
「えっ?…は、はい。とても」
中道は女性の目をじっとみつめた。
「当ててみましょう。貴女はこの男性の女性経験を知りたいと思っている」
「そ、そんなぁ」

この女は写真の男に片想いしている。過去に何らかの接触があって、その時のことが忘れられない。だが、男のほうは覚えていない。多分そんなところであろう。彼に現在付き合っている人が居るのかという単純な疑問だけなら、わざわざ相談に来ない。
寧ろ、男のことなら出来るだけ多くの事を知りたい。でも、土足で踏み込むようなことだけはしたくない。だから、ここまでやって来たのであろう。

「小学6年生の頃から好きでした。その彼が一度家に遊びに来てくれました。あたしが「クッキーを焼いたから」と誘ったんです。その時のことがずっと忘れられなくて…」
女性は涙を浮かべた。
「お願いです…中道さん」
中道はニコッと微笑んだ。
「お任せ下さい」



そして現在…

写真の男性は殆ど交遊関係がなかった。母親は彼が2歳の時に交通事故で他界。その後は、父親の影響でずっと男子校。現在は帝都大学の4回生。就職先は既に決定し、卒業間近にあった。
キーボードを打ち終わった中道は坂井に指示する。
「水樹を彼の就職先に潜入させるんだ」
「承知しました」
「更に、島田も呼んでおこう。監視係として」
「早速手配します」



事務所の出入口を開けると、そこは深海をイメージしたオシャレなラウンジになっており、待合室の役割を果している。
年齢26歳、小麦色の聡明な美女はここの店主だ。中道は声を掛ける。
「水樹、面倒な仕事を押しつけてすまないと思っている」
「いえ代表、これでも楽しくやらせて貰ってます。勿論これからも」
「そうか、ありがとう。これからも頼む」
「はい、頑張ります」



ラウンジの出入口に上り専用エレベーターが。釦は「B1」と「1F」のみ。
エレベーターで1階に上がると細長い通路があり、事務室に通じている。事務室扉の向こうはコンビニの店内になっており、外側には「Nightmare」と書かれた看板がある。
中道深夜探偵事務所はコンビニ「Nightmare」の地下にあったのだ。
「Nightmare」のカウンターには眼鏡をかけた店長の島田がいる。年齢24歳。

自動ドアが開放した。外から黒髪のショートカットの女性が入ってくる。
島田は元気に声を掛けた。

「いらっしゃいませ」


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