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『秘館物語』
【SM 官能小説】

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『秘館物語』第2話「訪問者」-9


「……ないで」
「ん?」
「もっと……して、ください……」
「ああ」
 体を重ねあう中で、碧が持っている“性の色”を何度も見てきた。
 全てを把握したとはいえないが、彼女は激しく嬲られる時にもっともいい反応を見せる。まるで、畜生のように犯されることを望んでいるかのような、激しい反応だ。
「続けるよ…」
「あっ、あっ……」

 ぐちゅ、ぐちゅ、にちゃにちゃにちゃっ!

「ああぁああぁぁぁぁ!!」
 激しく指を出し入れして、碧の腰を跳ねさせる。
 裏返るほどにめくれあがった粘膜からは、ほとばしるほどの愛蜜が弾け、碧のショーツは失禁をしたような濡れ方をしていた。
「ビチャビチャだ……」
「そ、そんなこと……あっ!」

 グチュルッ、グチュッ、グチュ、グチュ!

「あ、あぐっ、ひっ、ひぃっ、あああぁあああぁぁぁ!」
 湧き出るような愛蜜をかきだすように、浩志は指をうごめかす。蕩けるように熱い碧の粘膜を指先で掻き回して、浩志は己の性欲を指から伝わる感触によって満たしていた。
「あっ……!」
 不意に、碧の身体が硬直した。股の間にある浩志の腕を、その太股によってきつく締め上げる。
「あっ、ああっ……い、いやっ……」
 股がびくびくと痙攣を起こし始めている。その反応は、理性が身体から剥がれ落ち、動物としての本能的な衝動を開放しようとする証である。
「も、もう……。わたし……もう……」
 声が、掠れていた。
「イクのかい?」
 性的な絶頂を迎えようとしている姿…。
「碧……」

 ふっ…

 と、無防備になっている耳元に口を寄せて、耳朶に軽く息を吹きかけた。
「あっ、ああぁぁあぁぁぁ!!」

 びくん、びくん、びくん……

 刹那、まるでバネ仕掛けのように身体を弾かせて、碧は絶頂を越えた。
「ああぁ……うあっ……ああっ……!」
 頤と背を反らし、身体を激しく硬直させ、碧は体の中を走る性の奔流に翻弄されている。
「あ、はぁ……ん、んぅ……んはぅ……はぅ……」
 水中から顔を挙げた間近の時を思わせる、荒い息使いである。それだけ、かなりの高みに意識を飛ばし、体の中で劣情を燃やしたのだろう。浩志の指によって…。
「はぁ……はぁ……はぁ……」

 つ、と、口の端から唾液が垂れ、糸を引いて碧の胸元に落ちる。汗を吸い込んだ薄手のシャツが、碧の肌をすかして見せており、とてつもなく淫猥で刺激的だった。
(………)
 たぎる己の欲望を象徴するものが、屹立しきっている。すぐにでもこれを剥き出しにして碧に愛撫をしてもらい、彼女の中に想うまま突き立てたくて仕方がない。
 とどまることのない溢れるカオスは、凄まじい勢いで増幅して、彼の心を支配しているのだ。
「………?」
 しかし、である。
 ふと視界によぎった、二人の連れの影。見慣れた派手なバンダナの赤色によって、浩志の意識は現実に引き戻された。
「兵太さん……?」
 頭に巻かれているそれは、浩志が良く知っているものだった。トレードマークの丸眼鏡も、健在である。


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