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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』第9話-24


「んあぅっ、あっ、ああっ、あんっ、ひあっ、ああぁっ!」
 やっていることは、エアロバイクのサドルを使ったものと同じ原理であるが、固定されているサドルとは違い、股間に食い込むマッサージ棒を自在に強弱をつけて扱き動かすことが出来る。

 ぐいぐいっ、ぐにぐにっ、ぐにいいぃぃぃっっ!

「ひいぃいっ、あっ、ああんぁあぁっっ……!」
 腰の蠢きと、マッサージ棒の食い込みが、ダブルの性感となって、結花の中で暴れ廻った。背筋がぴんと反り、口がだらしなく開き、涎が糸を引いて垂れ落ちる。
「きもち、いい……きもち、いいよっ……いいのぉっ……!」
 マッサージ棒を使った“自慰(オナニー)”は、結花にとって極上の悦楽をもたらしてくれるものだ。抑えきれない興奮が昂じたとき、それを使って解消することで、結花は己のストレスを発散させてきた。
(アイツ……アイツに、こんなとこ、見られたら……っ!)
 その原因となった、純朴な少年の顔を思い浮かべる。
(きらわれちゃう……っ……でも、でもっ……!)
 腰の動きは止められないし、股間に食い込ませた状態でマッサージ棒を前後に扱くこともやめられない。
(わたし、が、こんなんに、なっちゃったの……ア、アイツのせい、なんだからっ……!)
 航に責任を転嫁して、免罪符を得たつもりになった結花は、自分を慰める行為に益々のめりこんでいった。
「あっ、くるっ……きちゃうっ……!」
 例の、白いもやもやが頭を掠めてきた。さらにヒートアップした動きで、マッサージ棒を前後に扱く。
「きちゃう、きちゃうっ……あっ、あっ……くるっ、あ、ダメッ……!!」

 ぐにぐにぐにぐにぐにぐにぐにっ!!

「イ、イクッ……イク、イクッ……わたし、イッちゃう、イッちゃうよ、木戸ぉっ……!」
 まるで彼に見せつけているかのように、ツイストダンスのような腰の動きで、自分を最後まで高めようとしている結花。
「木戸っ、木戸っ、も、もうダメッ、ダメなの、ダメッ……あっ、あっ!」
 そして、電流が背中に走った。身体の奥底から隆起してくる独特の浮遊感が、白い靄とともに、結花の精神を一気に包み込んでくる。
「イクッ、あっ、イクッ……ああ、ああぁああぁぁあぁぁっ!!」
 びくびくっ、と絶頂の痙攣を起こす。マッサージ棒に跨ってお馬さん遊びをしているような、余りにも滑稽な姿のまま、結花はエクスタシーを迎えたのだ。
「は……あ……う……はぁ……」
 その余韻とも言うべき、硬直と弛緩を何度も繰り返す。
「ハァ……ハァ……ハァ……」
 それが収まりを見せたとき、マッサージ棒から手を放して、結花はベッドに両手をついた体勢で、性的興奮の名残をやり過ごした。
「……やっ、ちゃった」
 昂ぶりが収まれば、自慰の後に残る独特の寂寞感が寒々しい。
「アイツのこと、考えながら、しちゃった……」
 あの純朴な少年のことを思い浮かべながら、自慰に耽ってしまった自分。
「どうしよ……わたし、ホント、どうしよぉ……」
 それが何を意味しているのか、本当のところは理解しているだけに、結花は、自分の節操のない性欲に対して、恨めしさを感じずにはいられなかった。


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