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蛇に睨まれた蛙
【フェチ/マニア 官能小説】

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龍一の回想-1

人は何歳ごろから異性に興味を持つのだろうか?
いや、正しくは何歳ごろから異性を異性として意識しだすのか?だ。
13歳を過ぎてからか、或いはもっと早いのか、まあ遅くても高校生にもなれば嫌でも意識するであろう。
それが小学生時代に嫌というほど聞かされた担任教師の口癖だった。

だが俺の場合は変わっている。かなり変わっている。
おふくろは俺に物心がつく前から交通事故で亡くなっているし、おやじは教育に煩い人間だったからな。
小学生だった俺も学校の授業は嫌いじゃなかったから成績もそれなりに良かったし、運動神経も悪くなかった。
が、6年生にもなれば、なぜかクラスの女子から声を掛けられるようになった。それは校内だけに留まらず一緒に下校することも多くなった。以前は友達でも何でもなかった彼女達が、なぜ親しげに近づいてくるのか訳分かんねえ。

友達に言わせれば「龍一は顔がいいし、勉強出来るし、運動神経抜群だし、そりゃあモテるさ」と冷たくされる。
そういえば、女子のひとりから「龍一くん、クッキーを作ったから食べに来ない?」なんて誘われたことがあったかなあ。
で、仕方なく家にお邪魔したのだが、これがどういう訳か退屈だし面白くも何ともねえんだ。とりあえず愛想だけは振り撒いておいたのだが、もうあんな堅苦しいのは御免だね。
まあ、肝心のクッキーはおいしかったと思うのだが。あの女子の名前、何だったかな?忘れちまった。

まあ、そんな苦い経験から俺は中学・高校と私立の男子校へ進んだ。勉強に専念するためだ。
かくして俺の学校生活はこの上なく充実し、国立大学から一流企業へと進み、現在は仕事を楽しくこなす毎日。
ただ、唯一の不安が無かった訳でもない。ほとんど女性と接触が無かったからな。あるといえば学校の教師くらいなもので、少なくても同世代以下の女性とは交流が無かったんだ。

それでもこの頃の俺は「なあに、そんなものはそのうちどうにでもなるさ」と特に気に留める様子もなく、どちらかといえば楽観的だった。


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