第二部-2
「もういやああーーー」
飾り気のない純白のブラジャーが、
ベットに落ち、そして床へ・・視界から消えた。
あまりにも幼く・・あまりにも儚げな乳房だった。
喚きながら腕で隠すものの、
先端のみならず、乳房全体が男の口に収まるようだった。
凄まじい吸引音が響いた。
「いたああーーーい」
黒い脚をバタつかせ、寛美は悶絶した。
もう1人が、寛美の背後にまわり、白き背中に吸いついた。
薄く、か弱い寛美のからだを挟み、2人の大男が顔をうずめた。
動くことも許されない寛美は、髪を振り乱して耐えた。
男が、空いた手でストッキングの腰のゴムを引っ張り、
それが戻るときに寛美の肌を打つ。
寛美は、乳房への痛みに加え、この痛みも甘受する他なかった。
2人は、寛美を引きずるようにベットから下ろし、
左右から、開脚した姿勢で抱え上げた。
この姿だけでも、気の遠くなる恥辱・・・。
室内にあった姿見の鏡の前に、寛美は連れて行かれた。
何という姿・・。直視できない。したくない・・・。
朝、自宅を出る前に、鏡で見た自分は
納得のメイクを施した美貌の33歳だった。
しかし、今映っているのは、
涙と唾液と恥辱で、乱れた髪・・・
真赤になった乳房には、歯型も点在する。
黒いストライプストッキングは、あちこちに伝線が見られ
開かれた中心には、ショーツが透ける。
「どうして・・どうしてこんなひどいことするの・・・・」
自らのあまりに惨めな姿に、
寛美は、抱えられたまま、泣き崩れた。
遊びの時間は終わった。
寛美は、床に下ろされた。
部屋の隅・・そう、先ほど寛美が追い詰められた場所に
再び、今度は男たちによって置かれた。
2人は、寛美に逃げる場所を与えぬ状況で
服を脱ぎ始めた。
双方180センチ前後はある。
筋肉質とは言えないが、骨太の威圧感のある体格だ。
かろうじて160センチある寛美だが、あまりに違い過ぎる。
針金のような胸毛・・・
獣たちの肌が露出してくるたび、募る恐怖。
「お願いだから、もう帰してーーー」
一糸纏わぬ獣が2人・・寛美の眼前にいた。
グロテスクな黒いモノが下腹部につかんばかりに
反り返っている。
1人のモノは、先端が異様に肥大している。
寛美にとっては、凶器以外の何物でもない。
2人の向こうにある扉・・・
無理でも何でも構わない。
今の寛美には、そこを目指すしかなかった。
わずか数秒の逃亡劇は、あまりに短かった。
手錠のごとく 細い手首を捕えた男の手が
寛美を解放するはずなど無かった。
乾いた音が、室内に響く。
ストッキングの股間が大きく裂かれ、
純白のショーツと黒いストッキングが
鮮明なコントラストを描いた。
「だれか、たすけてーーーー」
2人の目の色が、それまでとは明らかに違った。
嬲る事を楽しむ・・・もはや、その領域は超えていた。
今はそう・・己の欲望のすべてを
この獲物に果てるまで注ぎ込む・・・それだけだった。
真の宴が今、始まろうとしていた。