『SWING UP!!』第7話-17
「大和のいじわる…」
絶頂から落ち着きを取り戻した桜子は、少しむくれた様子を見えた。パンツだけでなく、ジャージまで汚されてしまったのが、恥ずかしかったのだ。それがまるで、粗相をしてしまったかのような気がして…。
「ごめんってば」
自業自得でもあるのだが、トドメを差したのは大和であるので、それを宥めるのもまた彼の役割であった。
「こうしたら、許してくれるかい?」
「あ……ん……んん……」
それでも、キスを何度か贈れば、たちまちにして桜子の機嫌は直る。
「もっと、してくれるなら……ゆるすけど……」
「じゃあ、もっとするよ」
「んっ……ん……ちゅ……んんっ……」
大和は、唇のほかにも頬や額に口を寄せて、膨らんでしまった桜子の頬っぺたを縮めることに腐心した。
「あ、あの、ね……」
ようやく機嫌を直した桜子と、しばらくは抱き合ったままで時を過ごしていたが、不意に彼女が口ごもりながらこんなことを言い出した。
「今日は、ね。大和を、その、気持ちよくさせたいなって、あたし思ってたの」
「?」
少し合点のいかない表情で大和は桜子を見つめる。お互いな気持ち良くなる行為は、今これからまさに始まろうとしているではないか、と。
「えっと、その……大和の、ここ、を……」
「うっ……」
思いがけない不意打ちを食らった気分だった。
「さ、桜子?」
桜子の右手が、内側から膨らんで固くなっている大和の股間に添えられたのだ。ちなみに今穿いているジャージの下は、トランクスである。
(うあっ……)
かすかに触れているだけだというのに、まるで電撃でも浴びたような刺激が背中を通り抜ける。その刺激によって、大和の屹立は雄雄しさを増した。
「わ、すごい…」
実に見事な“もっこり”であった。
「………」
今度が大和が、自分の中にある性への浅ましさに恥じらいを覚える番となった。
「大和のこと、気持ちよくしてあげたい。……だめ、かな?」
誰が否と言おうか。
「よろしく、お願いします」
何故か慇懃にそう応えて、大和は桜子に頭を下げていた。
ベッドのある部屋に移り、空調をしっかりと効かせてから、二人は裸になった。桜子の汚れてしまったショーツもジャージも、不意打ちを食らったときに僅かに滲んで汚してしまった大和のトランクスも、仲良く洗濯籠の住人となっていた。
「………」
大和は、ベッドのふちに腰を下ろし、高く天に向かってそそり立つ己が息身を、隠すこともなく堂々と晒して見せていた。その姿は、まさに“漢”というべきである。
「ほ、ほんとにすごいね……これ……」
自分の胎内に入り込み、至るところを突き貫いてきたものを、こんなに間近で見るのは初めてだった。
(だれが考えたんだろう……)
“亀頭”というのはまさに言い得て妙であり、その言葉を編み出した人物は天才に違いないと、桜子は変な感心をしていた。
「さ、さわるよ?」
「どうぞ」
両手の指で、おそるおそる、大和の“宝刀”を包み込む。
「わっ、熱い……」
指先から感じるその熱気に、桜子の身体がぶるりと震えた。
「うっ」
震えたのは大和の亀頭も同じだった。