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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』第7話-18

(あ……)
 触れていないはずの亀頭の先端……いわゆる、“鈴口”のところから、じわりと透明な液体が滲み出てきた。
(オトコノコの、“濡れる”って、こういうことなんだぁ)
 女の子にとっての、膣口から溢れて陰唇を煌かせる原理…すなわち“濡れる”という反応が、男の子にもあることを桜子は改めて思い知った。
「こ、こするよ?」
「あ、ああ……」

 しゅっ…

「う、あっ…」
 遠慮がちな指先の上下運動ではあった。それでも、大和の亀頭は、桜子の慎ましやかな愛撫を悦ぶように、興奮した様子でびくびくと震えていた。
「こ、こんな感じ……?」
 しゅっ、しゅっ、しゅっ、と、定律で大和の宝刀をいとおしげに研磨する桜子。懸命で健気なその動きには、確かに物足りなさを感じるが、かといってそれを責める気など、毛頭考えもしなかった。
「下手だったら、ごめんね……」
「そんなことない、よ……」
 実際、気持ちが良いのだから。
「いっぱい、濡れてる……」
「うっ……き、気持ち、いいからだよ……」
「ほんとに……? だったら、うれしいな……」
 桜子の指使いが悦愉をもたらしていることを、鈴口から溢れるばかりの潤滑液が何よりも雄弁に表していた。
「くっ」
 大和の喉が、愉悦に鳴った。桜子の指先が、宝刀の先まで覆いかぶさるように大きく動いたからだ。
 亀頭の部分にも彼女の愛撫が届いたということである。
「ぬるぬる、してる……」
 まるで、ごま油を表面に塗りこめた、餃子の皮の元のようだと桜子は思った。餃子の皮は、練った小麦粉を棒状にしてからそれをぶつ切りにして、麵棒で薄く延ばしていくのだが、蓬莱亭では、棒状にしたときに一度ごま油を表面に塗るので、その感覚を思い出していたのだ。

 しゅっ、しゅっ、しゅっ…

「うっ、さ、桜子……」
 桜子の研磨が、力強く加速してきた。慣れてきたというのもあるのだろうが、それより先に桜子自身が興奮し始めてきたということもあった。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
 桜子の顔は、当然ながら大和の亀頭と向かい合っている。その熱い息遣いが、敏感この上ない部分に降りかかるので、大和の愉悦は更に高まっていく。
 腰の辺りに、じわじわと集まってくるものがあった。
(1週間、だからな…)
 禁欲生活がそれだけ続けば、大和の若さであれば、蓄積された欲望は相当のものだろう。
(でも、10年ぐらいにも感じるんだけどな)
 …面目次第もございません。
「大和、きもち、いい……?」
 はぁ、はぁと、熱い呼吸の中からいとおしげに聞いてくる桜子。そんな健気な姿勢がたまらなくて、大和は桜子の頭に手を置き、優しく撫で回した。
「んっ……」
 猫のように、桜子は喉を鳴らす。頭を撫でてくれた大和に応えるように、桜子の指の動きがさらにダイナミックなものとなった。
「う、おっ……!」
 指先だけでなく、手のひら全体で屹立をしごき始めたのだ。摩擦の表面積が増えたことで、収束している性感帯への刺激が強くなり、大和の中で渦を巻く快楽が、益々ひとつに集まっていく。
「さ、くらこ……」
「うん……?」
 のぼせた様な大和のつぶやきに、桜子は怪訝な表情でその顔を見やる。
(きもちよく、なってくれてる……のかな……?)
 つたない指の動きだということは自覚している。本当なら、濡れ光っている亀頭の部分に、舌や口で違う刺激を与えなければいけないところなのかもしれない。
 だが、まだ桜子にはそこまでの思い切りがなかった。
「………」
 大和もそれをわかっている。だから、強制はしない。そもそも、手でしてもらっているだけでも、充分すぎるほど気持ちが良いのだから、それ以上の高望みを考えてはいなかった。


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