THANK YOU!!-6
だって・・そうだろ?
「俺が、アイツ以上に好きになる奴も良い奴も居ない。・・アイツしか・・居ないんだ」
『・・鈴乃君・・』
この一年でやっと、やっと気付いたんだ。
俺が・・どれだけアイツに惚れてるか・・。
中学の時とは・・比べようがないくらい。
「・・アイツ無しの生活なんて考えらんねえ・・。アイツが居ないと、俺・・ダメなんだ・・」
傍にいないだけで、全てから色が消えていく。
声が聞けないだけで、音がつまらないものになる。
触れていないだけで、温もりどころか暖かくもならない。
本当、居なくなってから改めて気づくなんてな・・。
俺の方が、バカだよ。
『・・・そっか。それ聞けて、安心したよ・・。・・そのまま、瑞稀の事、思い続けて・・。瑞稀だって、本当は鈴乃君が好きでしょうがない筈だから』
凄く安心されたみたいだ。
でも、良かった。アイツのこと、まだ想ってていいって・・分かったから。
「あぁ。そうだと、良い・・な」
『・・大丈夫だよ、自信持って』
なんでだろう。心に、ストンと落ちていった。
久々に、心があったかくなった気がした。
・・・気のせい、じゃない。こいつの・・おかげだ。
「紫波。・・ありがとうな」
『いーえ。じゃあ、切るね。長くなったしねー』
「・・そうだな」
最初の、子供っぽい口調に戻った紫波の言葉で俺は二時間以上も電話していた事に気づいた。
・・こんな長電話、初めてだよ。瑞稀とでもしたことねえし・・。
『あ、もし、瑞稀が東京に帰ってきたらメール強制的にしてもらうことになってるから、その時は連絡するよ』
「あ、あぁ。」
それはもはや、“してもらう”と言わないんじゃないか・・?言葉間違ってるぞ・・。
まあ、そんなことは言えないんだけども。連絡してこないアイツも悪いんだしな。自業自得。
・・てか、何から何まで助かる。つか完敗です。さすが瑞稀の親友さん。柊とは全く違う意味でスゲーよ。最初、こんな奴がアイツの親友なのかって言って悪かったな。撤回しとこう。
・・・ん?ちょっと、待て。すっげえ今更だけど・・・。