終章・最後の贈り物-10
菜摘と輝は遥香達に見送られて電車で旅立った。最初は遥香が一緒に行くようにと母が言ったが、遥香には外せない用事があったので輝が一緒に行く事になった。大学の前期試験の時は帰る事になるが、それ以外はずっと菜摘と一緒にいる事になった。
「ねぇ輝....お願いがあるんだけど....」
温泉へと向かう列車の中で菜摘が話しかけた。
「何?ナツ姉ちゃん?」
「あのね...その....」
菜摘は言い辛そうにしていた....輝は菜摘の体調が悪くなったのかと思い
「遠慮しないで言ってよ!」
菜摘は輝を見つめて
「あのね....私の事....ナツ姉ちゃんって呼ぶの止めて欲しいんだけど....」
「えっ?」
「出来れば....菜摘って呼んで欲しいんだけど....」
菜摘は顔を真っ赤にして輝を見つめていた....
「わかったよ!菜摘!」
菜摘は嬉しそうな顔で微笑んだ。
「向こうにいる間だけでもいいから....」
菜摘は輝の肩に頭を乗せて甘えるようにしがみついた。
温泉宿に着いた二人が案内されたのは長期湯治者用の小さな建物だった。この温泉宿では"はなれ"のようになった小さな建物に湯治する人達が宿泊する事になっている。食事は共同炊事場で調理する事になっていた。外食する事も出来たが、多くの人は共同炊事場で調理している。
「奥様はお若いのに大変ですね....少しだけでも良くなられるといいのですが....」
しばらくの雑談の後案内してくれた人はそう言って帰って行った。
「奥様だって....」
菜摘が嬉しそうに笑った。輝はあえて菜摘の言葉が聞こえなかったフリをして
「温泉に入りに行こうか?」
菜摘にそう聞いた。
「んもう....聞こえてたくせに....」
菜摘は唇を尖らせて拗ねて見せた。
「菜摘が行きたくないなら僕一人で行くけど....」
輝が部屋を出て行こうとすると
「ああん....待ってよ!誰も行かないとは言ってないでしょ!」
菜摘はすぐに輝の腕にしがみついた。
「輝のイジワル....」
菜摘は甘えるように輝に体を預けた。
二人は建物内の風呂に一緒に入った。協同の大浴場に行けば露天風呂等あるのだがそこは混浴ではないので今日は内風呂に入る事にしたのであった。
「やっぱり気持ちいいね....」
「うん....そうだね....」
内風呂は大きめに作ってあるので二人が並んで入っても足を伸ばす事が出来た。不意に菜摘の手が輝の股間に伸びてきた....
「菜摘?」
「いいじゃない....私達は"夫婦"なんだから....」
輝は菜摘の"夫婦"という言葉を否定しなかった。菜摘が自分の事を名前で呼んで欲しいと言った意味をわかっていたからであった。姉弟ではなく恋人同士..いや夫婦に見られたかったのである。それは輝も同じだった。輝は菜摘の肩を抱き寄せキスをした。輝が菜摘の秘部に手を伸ばすと、輝の指に温泉とは違う液体がまとわりついた。
「私もう我慢出来ない....ちょうだい....」
菜摘は立ち上がり風呂の縁に手をつきお尻を輝に向けた。輝は立ち上がって後ろから菜摘の入り口にあてがって一気に根元まで突き入れた....
「輝....いいわ....」
輝は菜摘の腰をもち激しく腰を突き動かした....
「ああん..あっ..あっ..輝..輝..好き....」
輝は腰を持っていた両手を菜摘の胸へと移動させ菜摘の胸を揉みしだいた....
「輝..輝..輝....」
菜摘は振り返って、上体を前屈みにした輝の首に右手をまわして引き寄せキスをした....舌を絡め合い....お互いの舌を吸いながら....輝は激しく腰を突き動かした....
「イキそうだよ....菜摘....」
輝に名前で呼ばれた瞬間..菜摘の秘部が締まり輝のモノを締めつけた....
「菜摘....そんなに締めつけたら....我慢出来ない....」
「待って....もう少しだから....一緒に....」
輝はイキそうになるのを必死に堪えて腰を打ち続けた....