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最後の贈り物
【姉弟相姦 官能小説】

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終章・最後の贈り物-9

医師達が病室から出て来たので、病室に戻ろうとした遥香に医師が声をかけた。
「後で医局のほうに来て下さい!」
「はい....わかりました....」
遥香は一抹の不安を抱きながら答えた。菜摘に声をかけてから医局に向かい、担当医師の部屋に入った。
「実は....菜摘さんは....」
医師から遥香に告げられたのは....菜摘の癌の再発だった....詳しい事は明日の検査によるが....癌が転移していて手遅れの可能性があるという事だった....
この病院では癌の告知に関しては病人の意志が尊重される。本人が望めば告知する事になっている。ただし命に期限がつけられた時は家族と相談の上で決められる....菜摘は告知を希望していたのだが手遅れの可能性があった為に遥香に相談されたのであった....
「両親と相談します....」
目の前が真っ暗になった遥香は医師にそう告げて病院を後にした。
遥香はそのまま母が住む家へと行って、父とも連絡を取って相談した。相談の結果、菜摘に全てを告知する事になった。
家に帰った遥香は輝に菜摘の事を話して部屋に閉じこもった。
菜摘の癌の再発....それは自分に下された天罰....菜摘と輝の関係を止めさせる事も出来たのに....自分もその仲間に加わってしまった....自分の死ではなく....菜摘の死となったのは....自分が最も悲しみ....そして苦しむ方法....遥香は自分の軽率さを後悔した....
癌の再発を告知された菜摘は、このまま病院で癌と戦う道もあったが、出来るうちは普通の生活を送り、残りの人生を楽しむ道を選んだ。
菜摘が退院する日、遥香は母の住む家に行った。
「この温泉は癌が消えた人がいるっていう温泉で....ここにナッちゃんを湯治に行かせてあげたいんだけど....少しだけでもいいから出してくれないかな....私のバイトで貯めたお金じゃ長い間湯治に行かせてあげられないから....お父さんにも相談するけど....」
遥香はネットで調べた温泉の情報を母に見せた。母は再婚相手に遠慮して
「出してあげたいとは思うんだけど....」
小声で申し訳なさそうに答えた。
「何言ってるんだよ!それくらい俺が出すよ!」
母の再婚相手が声をかけた。遠慮する母に
「俺は君と結婚したんだ!君の娘なら俺の娘でもあるんだ!娘のためにお金を使うのは当たり前だろ!」
そう言って、遥香のほうを見て
「お金の事は心配しなくていいから....菜摘ちゃんのために精一杯の事をしてあげて....」
そう言った。
「ありがとう....義父さん....」
遥香は少し涙ぐんていた....
家に帰って父に連絡を取りその事を告げると、父は母に連絡を取って義父にそこまでしていただくのは....と遠慮していたが、義父の、私にはそれくらいしかしてあげられないからこれくらいはさせて下さい....という申し出に甘える事になった。
それから輝と病院に菜摘を向かえに行ってそのまま母の家に向かった。
義父にお礼を言って、しばらく話しをしているうちに義父のパソコンを借りて温泉の予約を入れる事になった。たまたま1ヶ月程空きがあったのでそこに予約を入れる事にした。初めは菜摘一人で行く予定だったが、母がそれでは心配だからと誰かがついて行く事にして二名に予約を入れた。


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