第2章・心から結ばれた三人の姉弟-8
「うっ.....」
苦しげな声を漏らした遥香を見て動きを止めた輝は
「もしかして....初めてなの?」
そう声をかけた。
「うん....」
恥ずかしそうに頷く遥香に
「大丈夫?」
「うん....気にしないで続けて....」
「でも......」
「いいから続けて....」
苦痛に堪えながらも笑顔を見せる遥香に
「ゴメン..ハル姉ちゃん....」
輝は一気に遥香を貫いた。
物凄い締め付けが輝のモノを襲った....思わず爆発しそうになったが動きを止めてなんとかやり過ごした....
「ハル姉ちゃん?」
苦痛に歪んだ顔をしている遥香に声をかけた。
「ゴメンね....もう少しこのまま動かないで....」
「うん....」
それは輝にとっても好都合だった。少しでも動いてしまえばすぐにでも爆発してしまいそうだった....それはずっと好きだった遥香と一つになっている....そんな思いからだった....
「いいわよ....動いても....」
遥香の言葉に輝はゆっくりと腰を動かし始めた。
「うっ....」
輝が動く度に遥香は声を漏らした。
「ハル姉ちゃん?大丈夫?」
輝は遥香から体を離し抜こうとした。
「待って!」
遥香は下からしがみついてきて
「大丈夫だから....」
輝に続けるように訴えた。
「でも....」
躊躇う輝に
「ずっと好きだった輝とこうして一つになってる....それだけで幸せなの....私なんかじゃ輝を満足させてあげられないかもしれないけど....」
「そんな事ないよ....僕だって同じだよ......」
輝はそう言って遥香にキスをした....
しかし輝はずっと好きだった遥香と一つになっている....そんな思いから限界が近づいてきていた....輝自身の思いとは逆に....輝は腰の動きを早めていった....
「ゴメンね....ハル姉ちゃん....」
痛みに堪えながらもその事を輝に悟られないようにしている遥香は輝の優しさが嬉しかった....
「いいのよ....輝....」
輝は腰の動きを早めてフィニッシュへと向かっていった....膣奥深く差し込んだ瞬間..輝のモノは脈動を始めた....輝は体の力が抜けたように遥香に体を預けた....遥香はそんな輝を下から抱きしめた....
輝は長い脈動が終わるとゆっくりと遥香の中から引き抜いた。
遥香は軽く輝にキスをして、輝の腕から抜け出そうとした。
「??」
不思議そうな顔をする輝に、遥香は自分の唇の前で人差し指を立てて、静かにしているように促してベッドから抜け出して歩いて行ってドアノブに手をかけた。
会社の同僚との飲み会から帰宅した菜摘は、リビングの灯りも消されていたので、遥香も輝も自室でくつろいでいるのだと思った。元々アルコールに弱い菜摘はビールを一口しか飲んでいなかった。汗を流す為にシャワーを浴びたかったが、わざわざ二階に着替えを取りに行くのも面倒なのでそのままシャワーを浴びて、バスタオルを体に巻いただけで自室へと向かった。
階段を上って輝の部屋の前に来た時
「ハル姉ちゃん....僕もう....」
「いいわよ....きて....」
そんな二人の話し声が聞こえてきた....二人の話し声の雰囲気からそういう行為に及んでいる事が想像出来た....ここから離れなければ....菜摘はそう思ったがその場から動けなかった....
(ハル姉....決心してくれたんだ....これで輝も....)
菜摘は自分の無茶な要求を遥香が受け入れてくれた事が嬉しかった....
そんな菜摘の思いも長く続かなかった....遥香もまた輝の事を愛している事を知ったのだった....遥香は初めてを輝に捧げた....その事が菜摘の気持ちを重くした....輝を愛する気持ちは誰にも負けない....しかし菜摘は輝とは別の男性に初めてを捧げてしまった....こんな事になるなら結婚なんかしなければ良かった....菜摘は心から思った....しかしすぐに輝はずっと遥香の事が好きだったという事を思い出して..これで良かったのかもしれない....そういう思いも頭の中を走った....
「失恋しちゃった....」
菜摘はそう呟いて、輝の部屋のドアの横に壁にもたれかかるように座り込んだ....涙が零れ落ちて....菜摘は膝を抱えて泣いた....こんな事は初めてだった....元夫に離婚を切り出された時にもなかった事だった....