初めてのデート-4
しばらく時間が経ち…
外を見るともう夕方だった。
そろそろ帰らなくては…二人が心配する。
「…そろそろ帰るね」
彼の方を見てそういうと、彼は少し寂しそうな顔をした。
「もう帰るのか?」
「うん、心配されると面倒だし」
「そうか…じゃ、送ってくよ」
「うん、ありがとう」
彼の家を出ると、彼はそっと私の手を握り私の家に向かって歩き始めた。
家の近くまで来ると彼は立ち止まり、手を離した。
名残惜しそうに。
「…そんな顔しないで、また明日も会えるでしょ?」
「そうだな…んじゃっ、また明日」
「うん、またね」
笑顔でそういい、家の中に入ろうとすると、急に彼に名前を呼ばれ、腕をつかまれた。
どうしたの?と振り返った瞬間軽くキスされた。
「っ!?」
「…ぷっ…やっぱりお前からかうのおもしれぇ…」
腹を抱えて笑い出す彼を私は軽くにらみつけ、ぷいっとそっぽを向いた。
「馬鹿…いきなりびっくりするでしょ!」
「いやぁ〜びっくりしたときの顔が可愛くて…つい」
「ば、馬鹿…馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!麗音の馬鹿!」
「…八回も馬鹿っていうなよ…」
「いちいち数えなくていいよ!馬鹿!」
「あっ、九回目。ちなみに今日全体で言うと…13回目」
「そ、そんなに言った?」
いちいち数えている彼に突っ込む前に、少し申し訳ない気持ちになった。
「なんだよ〜、そんな顔するなって、別に気にしてないよ〜」
「…別に申し訳ないなんて思ってないし。勘違いしないでよね…!」
「あっ、でた。ツンデレ」
「う、うるさい馬鹿!」
「14回目〜」
結局こんな感じで家の前で話が続き、結局家に入るのは数分後となった。