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変態少年と、天然お嬢様の物語
【学園物 恋愛小説】

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付き合い始めて一週間…事件は起きた。-8

「お嬢様、帰りますよ。どうぞお乗りください」

 そういって高級車のドアを開けてくれる瑠奈。私はそれに甘えて車に乗り込んだ。

「ありがとう」

「いえ、よかったら麗音さんも乗ります?家まで送りますよ。
 …私の兄が」

「俺かよ!?」

「行きは私が運転しましたしね」

 彼女が笑顔で言うと彼はしぶしぶ運転席に乗り込んだ。彼女は助手席に乗り込み、私と麗音は後ろ。

「こんな高級車乗れるなんてめったにないよなぁ〜…後で弟に自慢してやろっと」

「…馬鹿じゃないの?」

「馬鹿ってなんだよ、馬鹿って〜…」

「ホント、君って子供だよね…」

「なんだよ〜…悪い?どうせ俺は子供ですよ〜。ということで甘えさせ…」

 そう言って膝に頭を乗せようとする彼。とっさに私は膝を上に上げてやった。

「ぐえ…」

「…馬鹿。二人が居る前でなにしようとしてんのよ。変態」

「私は気にしませんが?」

「俺も別に…運転に集中していれば気にならないから」

「だってさ」

「二人が気にしなくても私が気にするんだよ!」

 再び抱きつこうとする彼。鬱陶しいので突き飛ばしてやった。

「お嬢様、あまり車内で暴れないでくださいね。窓ガラスが割れたら大変ですから」

「分かってるよ…それくらい。てか、こんなんで割れたりしないでしょ」

「えぇ、もちろん」

 そんなこんなで彼の家に着き、車は止まった。

「んじゃ、また明日」

「また明日。学校でね」

「あぁ。なんなら今から俺の家に泊まって言ってもいいけどね」

「馬鹿。泊まる訳ないでしょ」

「なんだよ〜つれないなぁ…」

「うるさい。さっさと帰れ!」

「へいへい…」

 彼が帰ったのを確認すると、車は再び走り始める。
 なんだかんだ言いながら明日が待ち遠しいなんて思っている私が居た。 
 彼と付き合う前は何も気にしなかったのに…
 …早く明日にならないかな。もっと彼と一緒に居たいよ。


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