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変態少年と、天然お嬢様の物語
【学園物 恋愛小説】

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初めてのデート-3

 彼の部屋に入ると部屋はきれいに片付いていて、何も散らかってなかった。
 昔からそうだ。彼は自分の部屋は自分できれいにするタイプだった。
 小学生のときに彼の部屋に始めてお邪魔したときもきれいに片付いていたな…
 とか思っていると、ベットの下に本が落ちているのを見つけた。
 なんだろう…と思って下を覗き込むと、彼に横からこんなことを言われた。

「何?お前そういう本に興味あり?」

「そういう本って?」

「実際に見てみれば分かる」

 そういわれたので、ベットの下の本を取ってみた。
 カバーが着いていたので中身は読んでみないと分からない。
 仕方ないので中身を読んでみようとページを開いたが、文を見てやめた。
 
「…麗音…これ…」

「官能小説」

 真顔で彼が言う。その瞬間、体が火照ってきた。
 そういう人だとは分かってはいたが、真顔で言われても困る。

「馬鹿…なんで最初からそういわないんだよ…」

「面白そうだったから。読みたいって言うなら貸すけど?」

「読みません!」

「そうか…残念だ…お前がそれ読んで興奮してるところを見たかったのに…」

「悲しそうな顔で変態発言しないでよ!」

 顔は真剣だったが、言っていることは変態そのものだった。

「いやぁ…それにしても一ページぱら見しただけでそこまで顔真っ赤になるとは…
 ほんと純粋なやつ」

「常に変な事しか考えてない変態さんとは違うもん!」

「変な事って何だよ…俺だって真剣に色々考えてるんだぜ?」

 真面目な顔で彼が言う。一体何を真剣に考えているのか聞くと、彼は真顔でこう答えた。

「どうやったらお前を俺だけのものにできるかとか…
 いつ襲おうかとか…」

「やっぱり変態じゃない!それ以上近寄るな!馬鹿!」

 慌てて私が彼から離れると、彼は悲しそうな顔でこういった。

「なんだよ〜…彼氏なんだから彼女のことを考えるのは普通だろ?」

「君の場合は違うでしょ!?」

「年頃の男子は性欲が強いものさ」

「強いどころか欲しかないよ!?」

 慌てて彼に突っ込みを入れ続けると、彼は「冗談だよ」と笑った。
 
「…ホントに冗談?」

「ホントホント、そんなこと考えなくてもどうせお前が俺の物になる日は近いし」

 そういいつつ、彼は私の手を握り意味ありげに妖しげな笑みを浮かべた。
 思わずいろいろなことを想像して顔が真っ赤になる。

「あっれ〜?真奈ちゃん一体何を想像したのかなぁ?」

「っ…!な、何も想像してなんかない!麗音が変な事いうから…
 馬鹿…」

 ニヤニヤしながら言う彼から顔を背け、私が言うと彼はくすりと笑った。
 そして、手を離すと両手を広げて私を包み込むように抱きしめた。

「…ホント、可愛いやつ…お前のそういうところ…好きだよ、真奈」

 そう言って私と目を合わせるとそっと顔を近づけた。
 そして真剣な顔で「目を閉じろ」と一言。なんだかいつもの彼と違う人の感じがして、どきどきした。
 言われたとおり目を閉じると、そのまま唇を奪われた。

「…ん…」

「…」

「んっ…ぅ…」

 初めてにしては上手かった。思わず甘い声が漏れる。
 しばらく私の舌を堪能したあと、彼は私から顔を離し一言。

「…声がエロかったんだけど…」

「んなっ…!?」

「キスしただけであんな声出るとは思わんかった…」

 ぼそりと呟く彼の声が耳に入り顔が熱くなる。

「ば、馬鹿…っ…」

 恥ずかしそうに俯く私を見て、彼はニヤニヤしていた。
 可愛いなぁ…ホント…とか呟きながら。


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