THANK YOU!!-7
「そりゃあね!?受験しないって言っといて、受験合格しちゃったのは本当に悪いと思うけど、何もポッキー買ってきてそれで殴らなくてもよくね!?」
「・・・・は・・?」
「だ−かーらー!!受験合格しちゃったのは悪いと思うし、謝ったのに何でここまでされなきゃいけないのかっつってんの!!」
思わず、不良みたいな口調になってしまったが、今日ぐらいは許して欲しい。
理不尽に殴られたのだから。しかも、自分に非はないと思っているのが余計にムカついた。
そんな思いを込めて睨んだのだが、拓斗は逆に呆れた顔になった。
「・・お前・・そんな理由で俺が殴ると思ってんのか?」
「え?ち、違うの!?」
驚いた瑞稀は思わず、肩の力を抜いた。
だが、ますます分からなくなった。自分は何故殴られたのか。
再び、拓斗の顔を睨んだ。
「俺は別にお前が受験合格しても怒ったりしねーし・・。何でそんな風に考えられるか知りたいんだけど。」
「じゃあ何で殴ったんですか!!」
「・・・お前から貰えるの楽しみにしてた腹いせ。」
「・・・・はあ?」
答えになっているのかなっていないのか微妙な回答に、瑞稀は思わず眉をしかめた。
そんな様子は想定内だったのか軽く溜息をつき、拓斗は持っていた(瑞稀を殴った)ポッキーの箱を瑞稀に差し出した。
「・・だったんだけど、よく考えたらお前。人の受験勉強付き合ってたんだもんな。
まあ、柊が言ってた通り忘れてても仕方ないだろうけど。」
「・・・忘れる・・?何を?」
さっきまでの睨みはどこへやら。
差し出されたポッキーの箱を受け取った瑞稀は、それと拓斗の顔を見比べた。
いつまでも、思いつかないので首をかしげる。
「・・・今日、何の日か分かるか・・?」
頭を抱えながら出された問いかけに、瑞稀は更に首を傾げた。
そして、首を左右に振った。
その答えは想定外だった拓斗は眼を見開いた。
だが、それも一瞬で、すぐに深い溜息をついた。
「お前・・・。あんだけ朝からクラスが騒がしかったのに・・。」
「あぁ、なんかやたら賑やかだったね。卒業前だからだと思ったんだけど。」
「・・・・。柊が言ってた以上だな・・。」
「秋乃?あー、そういえば何か言われたな。“鈴乃に渡すモンあんじゃないの?”って」
「・・・・・」