第5章-1
女の身体は、その環境により変化していくものである。
その変わり方は人にもよるが、この若く美しい姉妹はそれが顕著だった。
変化とは・・勿論、女としてのことである。
無垢なる少女から、性と欲望に飢えた情欲の女に変わりつつあるのだ。
しかし、本人達はそれに気づいていない。
ただ、前より身体の部分が感じやすく、少しの刺戟で濡れやすくなったことは感じていた。
それは、今までが性的に無知だと言うことが原因であり
急激なセックスの饗宴に少しばかり肉体は驚いていたのではあるが。
少女が、老獪な男達に羽で撫でられるように愛撫され、
首筋を、背中を、胸を優しくされれば、誰でも夢見心地になる。
そうして感じて、身体が反応し濡れてくれば挿入は容易である。
確かに入れたとき、広げられ少し痛いと感じたがそれも直ぐに馴れた。
それほどに、女の身体とは順応に反応するように出来ていた。
あの老人専用のマンションに通い詰めてから、数ヶ月が経った。
始めは「愛とその生き甲斐」という市の講演会を姉妹で聞きに行き
その帰り道に、出会った男の誘いに乗ったときから、姉妹の運命は狂い始めた。
彼女達の、心から人の為になら、と思ってした行動が、或いは行為が、
逆に姉妹にとっては想像もしない狂おしい結果になったのである。
いわゆる、老人達が幸せと感じてくれるのなら、
その思いやりの気持ちと奉仕・・
そう思ってしたこと、
それは、彼女達自身の汚れ無き肉体を提供する結果になっただけだった。
たしかに彼女達がしたことは、老人達を狂喜させた。
しかし、それは鬱積した彼等の薄汚い欲望の為だったようである。
美咲と沙也香の姉妹は、この若さでセックスの甘い欲望の喜びを知ってしまった、
それからもうすでに抜け出すには遅すぎたようである。
快楽を知るのには、まだ18歳と16歳という少女には早すぎたし、
その数々の行為は強烈だった。
セックス、それは麻薬に犯されたように、彼女達の心と肉体を虜にした。
今では、この甘美なる行為がなければ、狂うほどの身体になっていたのだ。
本当は、その悪意を感じて逃げることは出来たはずである。
しかし、彼女達はそれをしなかった。
二人は純すぎた、汚れを、世間を知らなすぎた。
ただ、セックスの意義を知らなかったわけではない、
誰とでも交わることが良いとは思っていない。
今となっては、それを言っても虚しいだけである。
正直に言うと(騙されて犯された)と思いたくない心理が働いたのである。
それならば、セックスであっても、喜んでくれるのならと、割り切れた。
それは彼女達を育てた母親にも原因はある、
いずれその母親も、姉妹と同じように、
その罪を償わなければならないことに遭遇するかもしれないと、誰が思うだろうか。
狂いの始まりは、少女達が持つ(ほんの少しだけの冒険と、好奇心)だった。
巧みな老人達の誘惑によって、まんまと罠にはまってしまったのだ。
それに気が付いたときには、もう遅すぎた。
老人達が暴力を振るうわけでもないし、乱暴な言葉を発するわけでもない。
しかし、彼等は巧みな言葉で、少女達の心を・・・身体を弄び
若鮎のようなフレッシュな身体を堪能したのである。
若い二人の少女に、老人達は狂喜した。
こんな美味い話はない。
彼等にとっては、鴨が葱を背負って来たようなものだった。
もう女には、余程のことでも無い限り接することもなく、
ましてやセックス等がこの歳になり、
したくても出来ないと思っていたからだ。
それが、思いの外、美味い話になって来たからである。
一人では出来ないことでも、複数になれば人とは大胆になるものなのだ。