****-4
店を出たしずかはタクシーに私を押し込むと
後から自分も乗り込み
つい数秒前と同じように腰を抱き、
私を自分に引き寄せた。
運ちゃんに告げた住所は住宅街だと思われた。
お!
今度こそ、隠れ家的なバーですか?
ちょっぴり期待した私は
しずかがマンションのエントランスに入るのを見て
がっかりする。
「しずかんチ?私、家に行くなんてOKしてないけど?」
何をいまさら?というような顔をされ
そのままエレベーターに乗り込んだ。